人の見のこしたものを見るようにせよ。

すべての道は地理に通ず。

ロースかつ定食700円で始まった新橋の夜。

水曜日の夜のこと、ツイッターランドで知り合ったE君、あのcongiro御大、わっしーの3人で飲んできた。

E君は先日の「往復書簡」のお相手で、リアルではこの日が初対面。

面子から察するに、ほぼ食べずに酒を飲むことになりそうだと思ったので、あらかじめロースかつ定食700円でお腹を満たしておいた。

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集合場所は、毎度お馴染みWACHLIN(わしゅらん)5つ星の名店「ひらの」でございます。

初対面の客人をお招きするということで、前日に電話で平謝りして出禁を免除して頂きました(予約したとも言う)。

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この日は、まず「ひらの」で日本酒を程々に飲んで、その後「玉箒」で出禁(満席)を食らって矛先を変え、銀座のマデイラワイン専門バー「マデイラエントラーダ」でフィニッシュ。

 

 E 君は先日の記事からお察しの通りかなりの知識と経験値をお持ちで、特に蒸留酒に関しては自分の3周くらい先に行っていそうな感じがした。

そこにC 氏まで加わったもんだから会話がますますヒートアップして、途切れることなく4時間近くひたすら酒のことを話し続けた。

 

そんな感じだったので、いつものような飲み食い日記ではなく、特に印象深かった会話の内容を雑記的に記録しておこうと思う。

 

◼️「カプ系日本酒」が苦手な理由。

まずは自己紹介をして、E君と互いの酒の好みを話していた時に、お互い「香り系、特にカプロン酸エチル系」の日本酒が苦手だというところで意気投合した。

しかも、嫌いな理由が「フルーティーな香りの背後に“雑巾”のような香りを拾うことが多い」で一致したところが笑えた。

自分は普段、香り系が好きな人の気分を害さないように「刺激が強くて苦手なんです。」くらいしか言わないようにしているが、この日は内心に溜め込んでいた本音を吐き出せて面白かった。

また、自分もE君も、蒸留酒のフルーティーな香り(エステル香)は苦手ではない(むしろ大好き)なのだが、日本酒に限ってフルーティー系がが苦手というのも共通していた。

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◼️実は誰もワインの全貌など把握していないのでは?

次に、3人がそれぞれ別々に行ってきた「世界を旅するワイン展」のことを話し出して、ワイン(スティルワイン)の話題に移った。

そして、おそらく一番ワインの経験値が高いE君が、「ワインは産地とかぶどうの品種とかが際限なく多いので、実は誰もワインの全貌など把握していないのでは。そして、プロでも意外と適当なことを言っているのでは。」と、面白い指摘をしていた。

そうかもなー。そうだよなー。そうに違いない。

何となくワインに対するハードルが下がった。

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◼️ウイスキーのオールドボトルが美味いのには理由がある。

ウイスキー初級者の自分は、いわゆるオールドボトルをほとんど飲んだことがないので、本当に美味しいかどうかE氏に聞いてみた。

すると、「昔のウイスキーは今よりもずっと手間をかけて作っていた」とのシンプルな答え。

例えば、大麦の生産量を増やすために品種を改良したら味が落ちたとか、自家製麦をやめて外から買うようになったとか、昔と今とではビンの中身がだいぶ変わってしまったらしい。

ちなみに、今でも手間をかけて自家製麦をやっている蒸留所もちゃんとあって、その代表が「ラフロイグ」、「スプリングバンク」、「ハイランドパーク」あたり。

どれも大好物なので、ちょっと嬉しかった。

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◼️アルコール度数が40%くらいのスパルタンな醸造酒を造れないものか。

酒精強化ワインのことを話している時に、E君が「もともとアルコール度数が高い日本酒を酒精強化して、蒸留酒に匹敵するアルコール度数の醸造酒を作れないものか。」と、非常に面白いアイディアを話してくれた。

いちおう「越後さむらい」という前例があるとは言え、もっとほかの蔵も追随して、一つのジャンルが形成されたら面白いんちゃうかな。

「エキス分があってアルコール度数が高い」というのは、世界でオンリーワンの存在になれる可能性を秘めていると思う。

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◼️やっぱり寺田本家は面白い。

最後は、銀座の「マデイラエントラーダ」での我々三名+マスターでの会話。

酒のジャンルを超えて話題が展開し、マスターが突然「日本酒は寺田本家しか飲まないんですよー。」と。

マスターはもともとスティルワインのソムリエをやっていて、その後酒精強化ワイン(マデイラワイン)の世界に入ったとのこと。そんな世界を知る御仁が「寺田本家しな飲まない」ですよ。

もともと寺田本家は大好きだが、自分が思っているよりも全然スケールが大きくて、実は「世界で戦える日本酒」なのかもしれない。

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そんなこんなで気分良く帰宅して、締めに「スプリングバンク10年」を飲んで寝ましたとさ。

<了>

 

追記

飲み歩きの様子はこちらをご覧くださいませ。