愛ゆえに人は悲しまねばならぬのだ。。。
前略
ある蔵元のFacebook投稿を読んだ感想をつらつらと書く。
以下、引用。
弊社の製造部長 ●●のメルマガより。
(私よりよほどしっかり説明しております。)本日2019年●月●日の●●にも掲載されました。
☆☆☆ ●●発!日本酒の精米技術は新たな次元へ・・・
日本酒は磨いたお米で醸造されます。
酒造りに不要なタンパク質はお米の外側に多いため、高精白する(40%精米は、お米の60%を糠として取り除きます)ほど高品質なお酒ができます。
高価な原料米の多くの部分を捨ててしまうため、大吟醸などは価格が高くなってしまいます。
・・・これらのことはご存知の方も多いでしょうし、常識とさえ呼べるかも知れません。
ただタンパク質はお米の中で均等に散らばっているのではなく、お米の表側と裏側に偏在しています。
これまでの精米では表と裏を削るために、本来削らなくてもよいはずの上部と下部も削ってしまい、丸い仁丹のような形になっています。
もし上部と下部を残したまま、表と裏だけ削れれば・・・低精白でもタンパク質の少ないお米が得られます。
こんな夢のような精米を可能にしたのが、●●●の精米機トップメーカー、株式会社●●●の扁平精米機です。
2018年にこの新技術が発表され、●●●はいち早く手を挙げて試験醸造を行ないました。
得られた酒はこれまでの酒よりもアミノ酸が劇的に低く、未来を感じさせてくれる出来栄えでした。
扁平精米は革命的な新技術ですので、恐らく今後広まっていくのではないかと思われます。
ただ2018年にこの●●●の新技術によるお米で造られたお酒は●●●のみ。
試験醸造のため数量が非常に限られていますが弊社の特約店様でも残りわずかかもしれませんが販売しておりますので、ぜひ日本酒の未来に触れていただければ幸いです。
超要約すれば、「精米技術の進歩によって、美味しい(綺麗な)酒質の製品を、より低コストで作れる」っつーことだと思う。
高精白の日本酒にあまり興味がない自分は、「まあ、そんなもんよね。。。」ということでスルーしかけたが、二ヶ所だけ気持ち悪くて仕方がない言葉があった。
酒造りに不要なタンパク質はお米の外側に多いため、高精白するほど高品質なお酒ができます。
酒造りに不要なタンパク質?
酒造りに不要なタンパク質??
酒造りに不要なタンパク質???
????????????????
得られた酒はこれまでの酒よりもアミノ酸が劇的に低く、未来を感じさせてくれる出来栄え
未来を感じさせてくれる?
未来を感じさせてくれる??
未来を感じさせてくれる???
???????????????
タンパク質を減らすことの技術的な意味は良く分かる。
そして、それが主流であり、(短期的に)売れる酒を作るために有効であることも理解できる。
でも、自分は、酵母がタンパク質を食って元気に育ち、糖をちゃんと枯らしてくれて、かつ、アミノ酸が深みや複雑さを与えてくれる日本酒が好きなもんでね。
タンパク質は「名脇役」だと思っております。
だから、一面的な価値観で「タンパク質が不要」とまで断言されると、ちょっと待ったと思うのですよ。。。
それに、「未来」が感じられるって書いてるが、美味しい(綺麗な)酒をより低コストで作ろうという取組は、獺祭とかが何年も前からやって来たことじゃない?
出来上がった酒の味わいだって、従来の高精白酒と大して変わらんでしょう?
未来ではなく「現在進行」又は「近しい過去」くらいにしか思えないんだが。。。
そう言えば、この蔵はラベルに凝ってみたり、白麹使ってみたり、スパークリング作ってみたりと、色々頑張っているけど、個人的なにはどの酒も「あっさり」に感じるんだよなー。
つーことで、蔵元さんの思想は、文章にも酒質にもきっちり表れているのだろうと感じた。
以上、もやもやと考えているうちに悲しくなったので、思わず筆を取ってしまった。
いや、筆なんか取ってなくて、もちろんスマホで入力したんだがな。
筆を取るって書く方が雰囲気出るやろ?
そういうところも含めて、おっさんの戯言でございました。
くさくさ
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