人の見のこしたものを見るようにせよ。

すべての道は地理に通ず。

これはただの音楽本ではなく、日本の未来を照らす勇気と希望の書だ。~榎本幹朗『音楽が未来を連れてくる』の読書録~

本を読み終わって5日。
いまだに感動冷めやらず、暇さえあれば読み返したり、本の内容を基に考え事をしたりしている。
昨年来のコロナ禍で読書量が増え、この1年間で数多くの素晴らしい本と出会ってきたが、その中でも本書は明らかに頭一つ、いや、三つくらい抜けているのではないだろうか。

榎本幹朗『音楽が未来を連れてくる』の内容は、冒頭の一節に凝縮されている。

本書は、音楽産業に次々と襲いかかる未曽有の危機を乗り越え、新たな黄金時代を創っていった革新者たちの魂の軌跡を描いた勇気の書である。過去のみならず、コロナ禍で壊滅的な打撃を受けたこの世界に希望の未来もささやかながら提示してている。

この本は「音楽」ではなく「音楽産業」の本である。
ミュージシャンや楽曲の話題も出るには出るが、超有名どころばかりなので深い知識は必要ない。
知らなければ、YouTubeで音源を聴きながら読み進めれば全く問題はない。

かく言う自分は、そこそこの音楽ファンであると自認している。
高校生の頃から主体的にポピュラー音楽を聴き始め、楽器演奏(ギター)はあまりの才能の無さに早々と諦めたものの、以降30年間、多種多様なジャンルの音楽を聴き続けてきた。
30代に入り、結婚して子供を儲けてからはライトな聴き方をしていたものの、コロナ禍での在宅勤務の増加によって音楽熱を取り戻している。

Twitterのタイムラインに流れてきた本書の案内に興味を惹かれ、電子書籍を購入したのは2月中旬のことだった。
当初はそのボリューム(紙ベースだと600ページ以上!)に圧倒され、後で読もうと放置すること二ヶ月。
4月中旬に思い出し、試しに…と読み始めると、すぐさま本気モードに引きずり込まれた。
仕事と家事の合間、子供が寝た後など、暇さえあれば貪るように読み、わずか5日で読破。

自分がここまでのめり込み、感銘を受けた理由は大きく二つある。
一つ目は、素晴らしい歴史と現在の記述を通じて、時代を超えた普遍的な叡智を与えてくれたこと。
二つ目は、強いメッセージによってコロナ禍による閉塞感を吹き飛ばし、未来へ進む希望と勇気を与えてくれたこと。
前者だけなら、自分の中で読書の歓びを噛み締めつつ、SNSにちょこちょこ感想を書く程度で済ませたと思う。
後者があったからこそ、人に伝えたいと思い、こうして休眠していたブログを叩き起こして書くことにしたのだ。

以下、自分なりに感じた本書の素晴らしさを、5項目にわたって書いていく。

1.「人」を中心に活き活きとした物語を楽しむことができる

「はじめに」に続く本体部分は、誰もが知るエジソンのエピソードから始まる。

一九二八年のことだった。社長室で報告書を眺める”発明王トーマス・エジソンの顔色は優れなかった。「このビジネスは下り坂に入る……」エジソンはひとりごちた。彼の眺めていた書類は、エジソン・レコードの売上報告だった。

歴史の記述の仕方には色々あるが、本書は「人」を中心とする物語形式となっている。
まるで小説を読んでいるように心を躍らせながら、音楽産業の変革の胎動、そして歴史が動く瞬間を楽しむことができる。
ピックアップされている人物は、エジソンソニー創業者の井深大盛田昭夫、アップルのスティーブ・ジョブズといった超有名人も多い。
また、彼らほど有名ではない他の人物についても、エピソードともに生き様がありありとが描かれ、読んでいるうちに親近感が湧いてくる。
自分としては、日本では知名度が低いビル・ローディー(MTVヨーロッパ)とショーン・パーカー(ナップスターFacebookSpotify)の物語がとても刺激的だった。

少しだけ実例を出そう。
Sony盛田昭夫が、誰もその真価を理解していなかったウォークマンのプロトタイプを触り、沈黙の後で「……これは売れる」とつぶやいた場面。
ガンに冒されるなかiPodの開発を決断したスティーブ・ジョブスが、ミーティング中に目に情熱の炎を燃やしながら半ダースあまりのアボカドを鬼のように喰っていた場面。
米国の無料音楽ファイル交換サイト「ナップスター」を敗訴・倒産に追い込んだ弁護士が、息子の友人から「ナップスターの終わりは、音楽の終わりだ……」と聞かされた場面。

このようなエピソードを通じて、革新者たちの圧倒的なビジョン、天才的な閃き、驚異の行動力、抜け目のない計算などが伝わり、自然と物語に引き込まれていった。

2.音楽を窓口としてイノベーション100年の歴史を俯瞰できる

本書の中程に、次のような印象的な一節がある。

音楽は、炭鉱のカナリアのようなところがある。新しい技術革新の荒波に、ほかの産業に先立ってさらされる歴史を繰り返してきた。放送の登場も、ネットの登場も、まず音楽産業に破壊をもたらした。「頭の古い連中だ」とたびたび、ほかの業界から嘲笑された。だが、最初に揉まれるからこそ、いつも新しい常識を音楽が連れてきた。

前半~中盤は「歴史」の記述であり、1920年代の発明王エジソンの時代から、現代までの音楽産業の歴史が丹念に書かれている。
その過程で自然と技術革新の歴史に話が及び、上記の「炭鉱のカナリア」という例えに頷かされれる。

各時代に生まれた通信手段やメディアは、音楽コンテンツが起爆剤となって普及した。
古くはラジオや映画がそうであり、21世紀初頭には「ナップスター」が全米のインターネットとPCの普及率を押し上げた。
現代のYouTubeも音楽動画ツで人気に火がつき、それはいまなお人気コンテンツの一つである。

また、音楽を聴くためのハードウェアの開発は、電子機器の進化をリードしてきた。
終戦直後に開発された「トランジスタ」を爆発的に広め、電子機器の時代へと扉を開いたのは、1958年に発売されたSonyのポケットラジオだった。
いま注目を集めている「ブロックチェーン」の技術的源流は、2000年前後に全米で一世を風靡した音楽ファイル交換サービス「ナップスター」だった。

自分はどちらかと言えば科学技術オンチだが、このような親しみやすい音楽の話題を窓口として技術革新100年の歴史を俯瞰できたことは、大きな喜びであり目から鱗であった。

3.コンテンツ産業のビジネスモデルを知ることができる

形あるハードの売買と比べて、コンテンツ(ソフト)産業のビジネスモデルは複雑で分かりにくい。
最も古いコンテンツ産業は書籍だと考えられるが、21世紀に電子書籍が普及するまでは、形ある商品として流通していた。
それに対して音楽は、1920年代後半ラジオの登場によって、早くも「形無き流通」が始まった。

無料で音楽が聴けるラジオの登場は、レコード産業に壊滅的な打撃を与え、音楽産業の売り上げは二十五分の一になった。
本書は、このショックを起点として、音楽産業がいかにビジネスモデルを革新し、時代の変化を乗り越えてきたかを教えてくれる。

例えば、次のような興味深い分析がある。

(50年代の)ロックンロールの時代は、シングル全盛の時代でもあった。シングル売り上げは総売上げの半分にも達していた。このシングル売上のほとんどをロックンロールに強いインディーズが持っていった。
この時代は、二〇一〇年前後とそっくりだ。音楽の宣伝は無料メディアに頼り、安価なシングルが売上の中心。ラジオを動画共有に、シングル・レコードをいTunesni変えれば同じ構造だった。安価なシングルでは音楽制作費の採算が取れないので、ライヴで黒字化したのも同じだった。だからライヴで踊れるダンサブルな曲、シンプルで短い曲をインディーズは大量に生産していったが、この傾向も音楽フェスが盛んな二〇一〇年以降と同じだ。

中盤の現代史(21世紀)では、アップルの「iPod+iTunes」、日本の「iモード、着メロ、着うた」、YouTubeSpotifyなど、読者になじみがあるプロダクトやサービスが、ビジネスモデルの観点から見てどのように革新的であったのかが、非常に分かりやすく解説されている。
我々が当たり前に受け入れいているSpotifyの「フリーミアムモデル」(無料プランで生活に根付かせ、高度な体験と利便性で有料プランに誘導するモデル)や、ソシャゲなどの「基本無料+マイクロペイメントモデル」なども、エンターテイメント産業の荒波を克服して生まれたのだということが良く分かる。

技術革新(特に電子化)によってビジネスは著しく複雑化・多様化してきたが、音楽産業はビジネスの側面でも「炭鉱のカナリア」だったと言える。
その歴史と現在地を学ぶことによって、現代のあらゆる分野におけるビジネスモデルへの理解力、そして未来への想像力が高まっていくように感じた。

4.的確な総括とキャッチーな表現によって情報が頭に入ってくる

本書は、基本的には時代と人物を追った「物語」であるものの、随所で著者による「総括」がある。
この総括が効果抜群で、物語で親しんだ内容が頭にインプットされやすくなっている。

例えば、Spotifyの普及が音楽産業に与えた影響について次のように整理している。

サブスクの普及による音楽生活の変化
音楽配信のメディア化
人工知能が番組やプレイリストを創る
③新曲と名曲が競う時代
④音楽の寡占化と民主主義化が同時進行
⑤アルバム崩壊と神アルバムの時代
(※書籍では各項目の内容が詳細に解説されている。)

他にも、ソニーウォークマンの革新による影響を「ユビキタス化」「パーソナル化」「音圧志向の音作り」の3点にまとめた箇所、ナップスターの革新を「圧倒的な利便性」「圧倒的なスピード・レスポンス」「無限のディスカバリー」の3点にまとめた箇所など、素晴らしい総括が散りばめられている。
これらによって、音楽産業の構造とその変化(継承されたもの/破壊されたもの/更新されたもの)が頭に入りやすくなっている。

また、言葉の使い方も非常に巧みで、言いえて妙だと思う表現がそこかしこに出てくる。
その象徴が目次であり、タイトルによってこれから読む内容への期待感が掻き立てられ、読み終わった後「ああ、そうだったな」と納得した。

第1部 神話
・神話の章―かつて音楽産業は壊滅した
・黄金の章―四十年かかった音楽産業、黄金時代の再来
・日本の章―日本が世界の音楽産業にもたらしたもの
・月面の章-メディアが音楽を救うとき-MTVの物語
・地球の章-MTVのグローバル経営から学ぶ、クールジャパンの進め方
・栄光の章-続・日本が世界の音楽産業にもたらしたもの
第2部 破壊
・破壊の章―音楽が未来を連れてくる 疾風怒涛、ナップスターの物語
・再生の章―スティーブ・ジョブズ世界の音楽産業にもたらしたもの
・明星の章―音楽と携帯電話 東の空に輝いた希望の光
第3部 使命
・先駆の章―救世主、誕生前夜 ジョブズと若き起業家たち
カデンツァ―音楽産業の復活とポスト・サブスクの誕生 そして未来へ

5.日本の先人たちの偉業や影響力を知ることで魂が鼓舞される

本書の強いメッセージ性の根幹は、「おわりに」に書かれた次の一文にある。

答えらしきものを提示するよりも、もっと大事なことがあった。日本人の魂に潜む創造の精神にこそ、筆者は火をつけなければならなかったのだ。

本書を読む前は、世界の音楽産業史は一環として欧米がリードしており、日本からはせいぜいSonyくらいしか出て来ないだろうと思っていた。
案の定、序盤からSonyの「トランジスタラジオ」の話題が出て、後に「ウォークマン」、「CD」、「プレステ」などに話が及んだが、どれも想像よりずっとボリュームが大きく割かれており、かつ刺激的な内容だった。
イノベーションのジレンマを乗り越え、何回も革新的な製品・サービスを世に送り出し、世界の音楽業界に決定的な影響を与え続けてきたSonyは、本当に凄まじい企業だと思う。
余談だが、つい先日、このコロナ禍の中でSonyが最終利益1兆円を達成したというニュースが流れた。
それについて現副社長が「10年単位での積み重ねによって実現したものである」とコメントしていたが、本書を読んだ自分は非常に得心するところがあった。

さらに、Sony以上に驚いたのが、2000年代の「iモード、着うた、着メロ」の話題である。
自分は当時、「iPod+iTunes」を愛用しており、iモードこそ使っていたが携帯で音楽を聴いていなかったので、この話題が出てきたことに面食らった。
ところが、実は、「iモード」は携帯電話によるデジタルコンテンツ課金ビジネスの先駆けであり、かつ、そのキラーコンテンツであった「着うた、着メロ」は音楽産業を著しく活性化させたということを知った。
同じ頃、アップルの「iPod+iTunes」は欧米市場を席捲していたが、日本では携帯電話のシェアを奪えなかったそうだ(そう言われてみれば、自分の回りに「iPod+iTunes」のユーザーは少なく、しかも音楽マニアばかりだった)。
アップルはこの事態に危機感を覚え、日本の携帯電話ビジネスを徹底的に研究し、それが後のいPhoneの開発に結実したという。凄い話だ。

現代の日本は「アップル信者」が多い。
実際、アップル製品のデザインやインターフェースは優れており、多くの人に支持される理由は良く理解できる。
しかし、それが現代の価値判断の基準となっているが故に、過去に日本の人物や企業が成し遂げたイノベーションや、現在の日本のビジネスモデルの優れた点が見過ごされている可能性があると思う。
自分はアップル信者ではないつもりだったが、前出の「iモード、着うた、着メロ」の件を通じて、既成概念に囚われてたことを痛感した。
そして、日本人の可能性について、より冷静かつポジティブに考えられるようになった気がする。

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こうして整理してみると、改めてこの本は「ただの音楽の本ではない」ということを痛感した。
取り上げられている話題は、音楽に限定されないテクノロジー、ビジネスモデル、マーケティングなどの全般に及んでいる。
また、体系化・構造化された知見は、様々な分野に適用できるそうな強度と普遍性を備えている。
極端は例だが、本書から得たものを、自分の関心分野である「日本酒業界」に応用することも可能だと思う。

日本酒業界は、コロナ禍によって飲食店の営業が大きく制限されたことで、消費減少に喘いでいる。
その影響は、原料である酒造好適米の生産にも及んでおり、エコシステム全体が取り返しのつかないダメージを負いつつある。
一方、この苦境を「家飲み」需要の開拓で打開するため、遅ればせながらECを強化しようという動きが見られる。
これらの事象を踏まえ、本書で知った音楽アプリ「パンドラ」をヒントとして思考実験をしてみた(以下ツイートのスレッドを参照)。

このツイートの内容が妥当かどうかは、この際どうでも良い。
少なくもこの思考をしている時、自分の頭と心は充実していた。
著者の「いま、この状況を何とかしなければ」という問題意識が、自分に伝染したのだと思う。

本書がどのような人、どの程度の数の人に刺さるかは、全く想像がつかない。
最初に述べたように、紙ベースだと600ページ以上の大著である。
また、いくら音楽だけの本ではないと言っても、音楽に興味が無い人は感情移入できないかもしれない。
それでも、自分は胸を張り、声を大にして人に薦めたい。

騙されたと思って読んでみてほしい。
そして、読んだら熱く語り合おう。

<了>

SAKE SUPREME #1 プレイリストと解説

先日、浅草橋の酒屋 SAKE Street にて、小ぢんまりとした「ジャズと日本酒」のイベントを開催した。

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主催者は自分(言い出しっぺ)、しんご通信さん(ビジュアル&音楽担当)、こーへーさん(酒担当)の3人。
上のカッコいい画像はしんご通信さんが作ってくれたやつ。

結論から言うとイベントはかなり盛り上がった(と思う)。

今回のイベントは新鮮に受け止めてもらえたようで、参加者から「プレイした曲を後で知りたい」というリクエストを頂いた。
また、参加できなかった方からも、Twitterで「興味がある」「どんなペアリングなんだろう」という反応があった。
そこで、Spotifyで当日の曲をプレイリストにして公開した。

open.spotify.com

以下、収録曲の解説、会場の反応などを書いていくので、音源を聴きながら読んで頂けると嬉しいです。

▼オープニング

1 John Coltrane - A Love Supreme, Pt. I – Acknowledgement

ジャズファンなら誰もが知る超名曲にして、イベントタイトルの元ネタ。
「何かが始まりそうな予感」が横溢している。

▼デモンストレーション

いきなり「ジャズと日本酒のペアリング」と言っても「何ぞや?」という人も多いと思ったので、予め4つのペアリングを準備してデモンストレーションをやった。

2 Nujabes - Modal Soul (feat. Uyama Hiroto)

「光栄菊 “SNOW CRYSTAL”」とマッチング。
テーマは「コンテンポラリー」。
選曲はしんご通信さん。
氏曰く「ノスタルジックなメロディーがスノウクリスタルの粉っぽい甘い香りに合うかなと思いました。あと、細かく鳴るシンバルが微発泡感のようにも感じられて良いかなと。」
ペアリングがバッチリだったうえに、会場にNujabesファンが多かったので冒頭からとてもイイ感じに盛り上がった。
そして、Nujabes はオープニング曲のコルトレーン一派から影響を受けているので、ジャズファンがニンマリする流れも最高。

3 Blue Mitchell - I'll Close My Eyes

「鳴海 “純米大吟醸直詰め生 山田錦”」とマッチング。
テーマは「オーセンティック」。
選曲は自分。
鳴海は素直で伸びやかな酒というイメージなので王道のモダンジャズ
酒蔵がある房総半島の風土も含めて「陽性」だと感じたので、テンポよく明るい雰囲気のこの曲を選んだ。
選曲の際に、同時代のトランぺッターたち(ケニー・ドーハムリー・モーガンドナルド・バードなど)と聴き比べて絞り込むのがむちゃくちゃ楽しかった。
会場の反応は「普通に合うよね~」という感じで、堅実な二番バッターの役割は果たしたかと。

4 Butcher Brown - Tidal Wave

「“シン・ツチダ”」とのマッチング
テーマは「ネオ・クラシック」。
これも選曲は自分。
日本酒ファンの間で大注目の土田酒造ということで、選曲に力が入った(そして悩んだ)。
ここの藏は「現代の設備で伝統製法の酒を造る」というスタンス、シン・ツチダはそのフラッグシップ酒だということを踏まえて考えた。
「現代の設備」から若手ミュージシャンによる2020年の新譜、「伝統製法」から生音(アコースティック)中心の音づくりという条件を設定。
「生酛づくり」のなかで微生物が静かにうごめく様子をイメージしつつ曲を漁っていたら、ロンドンの若手ミュージシャンによるこの曲がピンと来た。
アルバムのジャケットに麹菌っぽい物体が描かれていることも密かなポイント。
この頃になると自分が楽しんではしゃいでいたので、会場の反応は良く覚えていない。

5 Pharoah Sanders - You've Got To Have Freedom

「舞美人 “山廃純米 無濾過生原酒 SanQ”」とペアリング。
テーマは「アバンギャルド」。
選曲はしんご通信さん、自分の共同。
この酒の持ち味は、何と言っても強烈な酸味。単純な酸味ではなく、なんかバイブレーションというか、波と言うか、そういう感覚がある。
そのイメージをファラオ・サンダースの咆哮するようなサックスに重ねた。
加えて、酸味を支える甘味は、ファラオの音楽性の根底にある人類愛や世界平和に通じるものがあると解釈。
このペアリングは、ジャズに詳しくない人を中心にウケていたように思う。

▼リクエスト&パーティー

ここからは自由に音楽を聴いたり、会話をしたり、飲んだり、食べたり。
以下、プレイした主な音源(+α)。

6 Katalyst - BBB

これは「シン・ツチダ」の選曲の際に最後まで悩んだやつ。
飲んだことがある人は「4 Butcher Brown - Tidal Wave」と聴き比べてください。

7 Jorge López Ruiz - Rogne Buenos Aires

会場からのリクエスト。
アルゼンチンの格好いいビッグバンド。
イメージは「七寳 粕取りみりん」。
みりんの味の要素の多さ、粕取焼酎由来の癖と音圧の強さが合う感じがして興味深かった!

8 Alfa Mist - Retainer

会場からのリクエスト。
ロンドンの若手ミュージシャンの旗手で、前出の Butcher Brown と同じカテゴリー。
同じ方が持参した「みむろ杉 CRAFT SAKE FROM BROOKLYN」のモダン&ジューシーな味わいと素晴らしいマッチング!
現代の若い造り手の日本酒と、現在活況を呈しているサウスロンドンのジャズシーンは相性が良いのかも?

9 José James - Promise in Love

自分が不在の時にかかっていた曲。
特にどの酒とペアリングという訳ではなかったが、会場がまったりリラックスした雰囲気にピッタリだった。

10 Art Blakey & The Jazz Messengers - A Night In Tunisia

黒松剣菱のお燗で会場のボルテージが最高潮に達していた時にプレイした。
何を選んでも剣菱には敵わないと思ったので、ここはシンプルに自分が好きなものを。
個人的に、ドラマーの Art Blakey は「ジャズ界の剣菱」と言って良い偉大な人物だと思っている。

11 Eric Dolphy - Out There

参加者にクラシックのチェロが好きという人がいて、「チェロが入っているジャズもあるよ」ということでプレイした。
というより、今回のイベントで一回は Eric Dolphy をプレイしたいと密かに思っていた(願望がかなって嬉しい)。
Dolphy は敬愛するミュージシャンの一人で、彼が残した”When music is over, it’s gone in the air. You can never capture it again.” (音楽は終わったら消えてなくなってしまい、二度と取り戻すことはできない)という言葉はジャズの精神を体現した名言。

Isao Suzuki with String Band - Nica's Dream(プレイリスト非収録)

ベースが好きだという参加者からのリクエストに応えて、しんご通信さんがプレイした曲。
初めて聴いたけど、なんやこれ、問答無用で格好いいぞ。。。
鈴木勲さんは御年80代の超ベテランだが、いまも現役で若手のDJと演奏したりしているらしい。
皆で「こんなふうに年を取りたいなー」とか話しながら耳を傾けた。
残念ながら Spotify の音源が無かったので、youtube でどうぞ。
youtu.be

12 Rahsaan Roland Kirk - Blacknuss

参加者が持ち込んでくれた寺田本家「醍醐のしずく」を飲みながら、何人かで「これに合うジャズは無いよな~」と話していたが、その場では妙案が出なかった。
そして、帰りの電車でひらめいた。
盲目の偉大なジャズリード奏者、というよりブラック・ミュージックの怪人 Roland Kirk なら行けるんじゃね?
テーマは「プリミティブ」。

13 Jack McDuff - Oblighetto

もう一つ、今回は熟成した生酒が一本も無かった(自分で持っていけば良かった…)。
それが心残りだったので、帰宅してから自分なりに「生熟ジャズ」を考えてみたら、60年代のソウル・ジャズに行き当たった。
テーマは「コテコテでんがな」。

▼クロージング

14 Steve Reich - Electric Counterpoint: I. Fast

最後に、クールダウンを意図してミニマル・ミュージック(現代音楽)をかけた。
ジャズギタリストのパット・メセニーが参加しているのでアリかなと。
マニアックな選曲だったが、一部の参加者にウケて良かった。

-----

参加者から「またやってよ!」という嬉しい声をたくさん頂いたので、ぜひ第2回をやりたと思う。
冬にやるなら「ジャズ×燗酒」がエエかな。。。

とにもかくにも、関係者と参加者の皆様、自分の拙い段取り&進行をサポートして頂きありがとうございました!
また遊びましょう!

Special Thanks to Shingo, Kohei, Saki & SAKE Street
sake.st

<了>

「日常に溶け込んだ嗜好品」について

この前、Twitterにこのような投稿をした。

特に深い考えもなく書いた文章だが、後から考えたことがあったので、この場につらつらと書いてみようと思う。
全く役に立つ内容ではないし、結論めいたものは無いので、気楽に読んでくださいませ。

―――――

自分は現在、SNSTwitterしか動かしていない。
Facebookはロム専、Instagramはアカウントを持っているだけ。)
なぜTwitterが良いかというと、自分の「日常」を「ある程度」さらけ出せるからだ。

例えば、食卓の写真を投稿する場合を想像してみる。
FacebookInstagramだと、センス良く盛り付けられた料理、洒落たテーブルウェア、背景のインテリアなど、画面内の全てに気を配らなければいけない空気がある。
一方、Twitterのタイムラインにはもっと多種多様な写真が並んでいて、その中には「日常」らしい写真も数多く含まれる。

とは言え、Twitterも「完全な日常」とは言えない。
「日常」が「高頻度で同じことを繰り返す」ことだとすれば、あまりにも頻度が高い(=日常性が高い)ものは題材とならない。
例えば、自分は毎晩「ご飯」を食べるが、それをTwitterに投稿しようとは思わないし、他者が毎晩「ご飯」の投稿をするのを見たいとも思わない。


冒頭の話題に戻ると、自宅の冷蔵庫には「黒ラベル」、リビングには「黒松剣菱」が常備されている。
そして、「黒ラベル」は春夏秋を中心にだいたい年間120日(週2回ペース)、「黒松剣菱」は秋冬春を中心に年間60日(週1回ペース)くらい飲んでいる。

これらを常備し、コンスタントに飲んでいる理由は二つあって、「普段使いに適した味わい」と「いつでも、どこでも買えること」だ。

「サッポロ黒ラベル」の丸みがあって濃すぎない味わい、「黒松剣菱」の甘・酸・苦・旨を兼ね備えつつ後口の捌け(キレ)が良い味わいは、ふだんの家庭料理と合わせやすい。
そんなお酒が、近所のスーパー、コンビニ、ドラッグストアで普通に買えてしまう。
これらを選んでおけば、最近流行りの「ペアリング」とか難しいことを考え必要はなく、幼い二人の息子のお行儀の悪さに翻弄されながらでも晩酌を楽しむことができる。

何と言うか、「これ“が”良い」というよりは、「これ“で”良い」から選んでいる。
「これ“で”良い」というのは、まさに「日常」なのだろうと思う。

とは言え、昔から「黒ラベル」と「黒松剣菱」が「これ“で”良い」だった訳ではない。
もう10年以上も酒を趣味とし、それなりに様々な種類の酒を飲んだ上で、この二本が「自分に合う」と考えるに至ったのだ。


酒以外のジャンルだと、「毎朝のコーヒー」もこれに近い。
20代後半~30代前半にかけてコーヒーにハマっていた時期があり、世界各地の色々なコーヒーを飲み、道具にも凝っていた。
結婚を機に深追いはやめてしまったが、毎朝豆を挽き、ハンドドリップでコーヒーを淹れる習慣は継続している。

そして、「自宅での朝コーヒー」をTwitterに投稿することはない。


「嗜好品」と「日用品」は対義語とされ、世の中全てがどちらかに属するかのように言われる。
しかし、自分にとっての「黒ラベル」、「黒松剣菱」、そして「自宅の朝のコーヒー」は、どちらにも属さない。
何と言うか、「日常に溶け込んだ嗜好品」とでも表現すれば良い存在となっている。

ここまで来ると「誰にどういわれようと好き」なので、わざわざSNSで承認欲求を満たす必要も無い。
日常の中で、静かに、自分の暮らしを豊かにしてくれる。

そして、きっと誰もがこういう存在を持っているのだろうと思うと、楽しい気分になる。

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おわり。

勢いだけでTwitterの「正調粕取焼酎専門アカウント」を作った。

twitter.com

実は昨年末から、正調粕取焼酎について何らかの方法で発信しようと考えていたが、バタバタとして放ったらかしになっていた。
その一環として先月に上記のアカウントを作っていたのだが、今晩ようやくそこに魂を吹き込んだ。つまり、最初のツイートを投稿した。
そのツイートは、熱い思いが滾るあまり14連投のスレッドとなってしまい、極めて読みにくいと思われるので全貌をこちらに載せておく。

連続ツイート:独断と偏見による「正調粕取焼酎の3大魅力」。
1.農村の暮らしと歩んできた「悠久のロマン」
2.地元のみで消費されてきた「ザ・地酒」
3.今こそ世界に問いたい「比類なき個性」
行きます。

1.農村の暮らしと歩んできた「悠久のロマン」
正調粕取焼酎とは、「酒粕」を主原料し、蒸留時の通気性確保を目的として「籾殻」を混ぜ込んだ焼酎です。起源は正確に分かりませんが、江戸時代の17世紀後半以降の文献には、その製造方法が記されています。
酒粕は栄養価が高く良い肥料となるのですが、アルコール濃度が高すぎると植物に害を与えます。このため、農民たちは酒粕を蒸留して焼酎を造り、残った粕を肥料として利用しました。つまり、正調粕取焼酎は「副産物」という見方もできます。
また、正調粕焼酎は古くは「早苗饗(さなぶり、さなぼり)焼酎と呼ばれていました。「早苗饗」とは田植えの後のお祭りのことであり、そこで正調粕取焼酎が「祝い酒」として振舞われていたのです。きっと労働の後の一杯は最高だったでしょうね。
このように、正調粕取焼酎は、当初から農村・農民の手で育まれ、継承されてきました。そこには派手な歴史のエピソード、技術革新のストーリー、市場を席巻した武勇伝などはありません。だからこそ、逆に、かつての日本の農村文化がそのまま封じ込められている、そんなロマンがあります。

2.地元のみで消費されてきた「ザ・地酒」
近代以降、日本酒や芋焼酎、麦焼酎などは、輸送手段の発達や技術革新などによって広範囲へと流通するようになり、全国ブランドの大企業も生まれました。しかし、農村とともに生まれ育った正調粕取焼酎は「地元の、地元による、地元のための酒」であり続けました。
それ故、農村の近代化とその後の衰退によって正調粕取焼酎の存立基盤が揺らぎ、また、飲み手の嗜好の変化で癖の強い味わいが敬遠されたことによって、正調粕取焼酎の製造元は大きく減少し、今や絶滅の危機に瀕していると言っても過言ではありません。
「酒は世につれ、世は酒につれ」と言われる通り、正調粕取焼酎の退潮は時代の流れなのかも知れません。でも、それは同時に貴重な「地域文化」の一つが失われてしまうことを意味します。世がどうであろうと、我々には守るべきものはあるのではないでしょうか。自分には、あります。

3.今こそ世界に問いたい「比類なき個性」
正調粕取焼酎の味わいは、米の甘味、籾殻の香ばしさ、蒸篭の木の香りなどが主体です。さらに、熟成するとチョコレート、ナッツのような風味も加わります。その味わいは決して万人受けするものではなく、人によっては「畳」などと表現されることもあります。
個人的には、正調粕取焼酎を特徴づける「籾殻香」は、スコッチの「ピート香」に匹敵すると思っています。「籾殻」も「ピート」も、身近な場所の原料を使う事によって付加された香りであり、決して美味探求の結果ではありません。つまり、「土地に根ざした文化の香り」と言えると思います。
ちなみに、西洋には、ぶどう粕を原料とした「グラッパ」や「マール」という蒸留酒があります。これらと正調粕取焼酎は、原料が全く異なるにも関わらず、なぜか共通の風味があります。これも、「自然の恵みを余すところなく活かす」という「人類共通の文化の香り」なのかもしれません。
このように、正調粕取焼酎の「ローカルに根ざした風味」は、世界の蒸留酒と比べても決して遜色ないものであり(比べる必要など無いのですが、敢えて…)、いまこそ世界に問われるべきのではと思っています。(当方一介のアマチュアにつき、その結果玉砕しても責任は取れませんが…)

以上、このアカウントを始めるにあたって、自分の熱い思いを書き連ねてみました。いつまで続くか分かりませんが、今後とも宜しくお願い致します。

そんなに長くはないが、書ききった感がとてもある。
なので、以降はゆるゆると運用していこうと思う。

<了>

浦安を歩いてきた。

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クリスマスの日、仕事を休んで浦安を歩いてきた時のことを書く。

 

浦安といえば、一般的には、広大な埋立地と、そこにある「夢の国」と称して善良な親子から金を巻き上げるD帝国のイメージが強いだろう。

しかしながら、東京メトロ東西線の浦安駅周辺は古くから陸地であり、かつてはのどかな漁村集落であったらしい。

そのことを随分前に放映されたNHK「ブラタモリ」で知り、いつか歩いてみたいと思っていたが、つい先日のクリスマス、ふと思い立ち、仕事を休んで歩いてきた。



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浦安は、我が家がある神奈川県伊勢原市から、電車で2時間近くかかる。

その道中、改めて浦安駅周辺の地図を眺めると、道路が不規則に入り乱れており、水路もいくつか現存するということで、否が応でも期待が高まる。 

 

 

その一方で、以前から気になっていた「魚市場」のことを調べてみると、何と今年の3月末で閉鎖したとのことで、大きな衝撃を受けた。ああ、昼食は魚市場でと密かに期待していたのに。。。

 

浦安魚市場が3月31日で閉場。跡地はどうなる? | 浦安に住みたい!web

 

とにもかくにも、まずは浦安駅で下車して、すぐ北側の旧魚市場に向かった。

既に魚市場が入居していたビルは取り壊され、周囲に残された飲食街と商店街もかなり寂れていた。

というか、明らかに資材の撤収と思しき風景が見られたので、ここも近いうちに再開発の対象となるのかもしれない。

 

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魚市場の末期を見届けた後に、適当に写真を撮りつつ駅の南側に移動する。

さすがに駅周辺は開発が進んでしまっていたが、その片隅に老舗の焼き蛤屋さんを見つけた(が、売れ切れで買えなかった)。

 

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まずは神社を目指すのがよかろうと思い、漁村地区の東寄りにある清龍神社にやってきた。

年始に向けた準備の様子を眺めながら奥に進むと、なかなか見事な「富士塚」があった。この上から現在も富士山が見えるかどうか確かめてみたかったが、残念ながら立ち入り禁止だった。

 

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神社の門前には、銭湯と掘割(境川)、そして参道と思しき良い感じの道が伸びている。

 

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この道をまっすぐ進むと、銭湯がさらに2軒(うち1件は廃業と思われる)、良い感じの洋風建築などが点在していて、かつてメインストリートだったであろうという風情が漂う。

 

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そのまま500mほど進むと道路は左に折れ曲がった。

現在は見ての通り風情のかけらも無いが、折れ曲がりの角に小さなお寺があるので、かつては味わい深い「辻」の風景が見られたのではないかと想像される。

 

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境川を超える橋から、いかにも老舗っぽい煎餅屋が見えたので、家族へのお土産がてら買うことにした。いかにも歯ごたえがありそうな煎餅を手に取ると、お店のおばさんが「ご自宅用なら、壊れせんべいのお徳用パックがありますよ」と親切に教えてくれた。

 

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※買った品物(帰宅後撮影) f:id:wassy1974:20191226114032j:image

 

浦安は昭和46年には漁業権を完全に放棄しており、漁村でなくなってからだいぶ時間が経っている。今日であは分かりやすい漁村風景を見ることはできないが、それ故に、煎餅屋の近くで漁村の残像っぽいものを見ることができたのは嬉しかった。

 

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境川の北側には、古めかしい雰囲気の住宅街が広がる。

平坦な地形にもかかわらず道路が曲がりくねっており、細い路地も多い。取り立てて見どころがある訳ではないが、見えそうで見えない向こう側を探索しながらずんずん進むのが楽しい。

 

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旧市街をひとしきり歩いたので、次は旧江戸川に沿って歩くことにした。

開放的な風景だが、空間を持て余して少し寂しい気分になったので、以前にも増して黙々と歩いた。

なお、期待していた富士山は見えなかった。

 

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堤防を北上して境川を渡ると、船宿のちょっとした密集地帯にたどりついた。

平日(しかもクリスマス)にも関わらず、思いのほか賑わっていて、駐車場は釣り人の車で満杯だった。

 

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ここまでだいたい3時間、その間結局、飲まず食わずだった。

夕方に友人と飲む約束をしていたので、これにて街歩きは終了。

浦安はとても良かった。「また来たいか?」と言われると「正直うーん。。。」という感じだが、何というか、この日の気分にピッタリだった。冬の薄曇りという条件も良かったのではと思う。

 

おしまい。

 

追伸

浦安の歴史と地理に関しては、この文章が短いながらもなかなか興味深い。

www.sbbit.jp

夏休み帰省旅行<前夜祭 in 小田原>

【速報】わっしー氏、夏休みに突入いたしました。しかも14連休(勝利のガッツポ)!!!

 

夏休みの最初の一週間は兵庫県の実家に滞在することになっていて、妻&息子ズは先に新幹線で旅立った。

そして、土曜日のラスト業務をやっつけた父ちゃんは、青春18きっぷで後を追うのだ。

 

この日は、小田原駅00:31発の夜行快速「ムーンライトながら」に乗車することになっていたので、早めに小田原入りして飲み歩くことに。

 

最初は、以前から独特の店構えが気になっていた本町の中華料理「ロリン」に向かったが、「ウチは予約グループ専用です」ということで、残念ながら入店できず。。。

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さらに、もう一つのお目当ての「大学酒蔵」も満席で入れず。。。

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連続撃沈で若干やさぐれた気分になっていたので、そんな気分を癒してくれそうな中華料理「日栄楼」に入ることに。

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いつ来てもここは落ち着くし、独特の餃子(登録商標)が旨い。

そして、この日の収穫は揚げワンタン。

甘酢あんにディップして食べる他では見ないスタイルで、これがビールとめちゃくちゃ合うのだ。

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あまりにも居心地がよく、また、スマホでラグビー日本代表の試合を観戦していたこともあって、だいぶ長居してしまった。

 

さて、次に行くか。

 

しばし夜の散歩の後、小田原駅ほど近くの「すたんど割烹 杵吉」に入店。

ここは4年ぶりくらいに来た。 

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以前と変わらぬすばらしい佇まい。これだけで百点満点。

 

いつものように料理はお任せ(というか、お任せしか無い)。

前の店で油っこいものを食べたので、滋味深い野菜料理が体に染み渡る。

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お母さんと他愛もない話をしつつ、ハイボールと芋ロックをチビチビ。

寛ぎの時間を満喫していたが、花火大会帰りのややオラついた感じの団体さんがなだれ込んで来たので、早目に退散することに。

ありがとうございました。また来ます。

 

ここから1時間半は、小田原駅のコンコースのベンチで、缶チューハイを飲みながらダラダラしていた。

 

そして、ついに旅立ちの刻(トキ)。

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翌日の小旅行に期待を膨らませる間もなく、着席直後に寝落ちした。

 

明日は、どっちだ。

<続>

板橋で蒸留酒を買い、場末で飲んできた。

先週の金曜日のこと、不意に夕方以降の予定が空いたので、板橋で遊んできた。

まずは、東武東上線の下板橋駅で下車。

なんてことない駅舎だが、周辺を含めてそこはかとなく生活感が漂うところが良い。

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第一目的地は、ウイスキーショップの「M's tasting room」。

これで二回目だが、前回は店主の吉村さんとお会いできなかったので、軽くリベンジな感じ。

吉村さんはすこぶる紳士で、初心者の自分にも暖かくアドバイスをしてくださった。

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この日はセールということで、有料試飲300円以下のアイテムが試飲無料だった。

途中で合流した地元民のo君と一緒にあれこれ色々と試して、良い気分で四本購入した。

ここはオフィシャルのウイスキーは少なくて、ボトラーズがメインの品揃えだが、ほとんどのアイテムが有料試飲できる。

あと、店主の吉村さんによる自家ブレンドウイスキーも楽しくて旨い。

自分がよく利用する目白の田中屋とか銀座のリカマン777よりもはるかに小さな店で、アイテム数は少ないが、店主の個性が出ていて本当に楽しい店だと思う。

caskvillage.com

 

さて、買い物欲が満たされたので、次は飲みモード。

ここは板橋を熟知するo君に身を委ねたが、2軒連続で出禁という名の満席を食らって、彼への信頼が早くも揺らぐ。。。

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上の「明星酒場」はかなりプロユースな感じで、我々のような余所者は入店困難な感じだった。。。

 

気を取り直してo氏に最後のチャンスを与えたところ、三度目の正直で結果を出しよった。

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いやー、この「平家」は最高の居心地やったね。

こういう空間で食べるハムエッグとか、ジャパニーズスタイルで皮を分厚くしただけの水餃子とか、たまらんねー。

そして、最後の「つけ麺」がちょっと面白くて、つけ汁が最近流行系の濃厚スープではなく、完全に冷やし中華のタレだった。

これは名前を「つけ冷やし中華」に変えたほうが良いだろう。そして妙に旨かった。

 

ここで蒸留酒マスターのe君も合流して、o君御用達の「北海」へ。

店に入ってほどなく、あのc氏も合流して、4人で酒マニアトークを繰り広げた。

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この「北海」もすこぶる居心地が良かったなー。

箸でつまむとホロリと崩れるマグロ寿司は、職人の技が光る逸品!?

あと、どぶろくを枡からこぼして注ぐのは初めて見た。

 

o君曰く、板橋区は実はめちゃくちゃ広らしく、今回遊んだエリア(JR板橋駅界隈)は、板橋の中の板橋、板橋オブ板橋とのこと。

他にも東武東京線の大山駅界隈とかも楽しそうなので。これからもちょいちょい板橋遠征をしたい。

 

JR板橋駅の駅舎はなかなか渋かったんだが、改装が着々と進められていた。

後で調べてみたら駅ビルとタワマンが立つらしい。

タワマンじゃなくて、リカマンができれば良いのに。。。

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最後に、M's tasting room の釣果。

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一番左の「トマーティン18年」は、旧ボトルかつ半額投げ売りだったので、義憤にかられて救済した。e君曰く「味が硬いので放置する方が良い」らしい。酒の放置プレイは大得意なので全く問題なし。

次の小さな四角い瓶は、吉村さんオリジナルブレンデッド。これは試飲して好みだったことに加え、「アルコール度数55.8度」にも惹かれて購入。蒸留酒においては「度数は正義、度数こそ正義」だ。

その隣の背が低いやつはドイツのジン「モンキー47」。リアルとかTwitterとかで「ドイツのジンが美味い」という声を複数聞いたので、最初に見つけたドイツのジンを買ってみた。

一番右の「レダイグ13年」はボトラーズもの。ここの蒸留所はもともと大好きで、なおかつ吉村さんに勧められたので迷わず購入。

ホクホクでございます。

<了>

 

追伸

自分が帰った後、残り三名は自分がフラれた寿司屋で楽しんだらしい。。。

ぐやじい。。。

こう暑いと露出したくなる気持ちは分らんでもないようような、そうでもないような。

日本酒はどの酒と似ているのか?

きっかけはこのツイート。

この方は直接存じ上げないのですが、アメリカで日本酒を普及させるべく奮闘していらっしゃる方のようです。
海外の方を相手にしていらっしゃるということで、酒に対する「疑問の持ち方」が興味深くて、いつも楽しくツイッターやnoteを拝見しております。

以下、続きのやりとり。

そう、実は自分も、最近は「日本酒とウイスキーが似ている」と感じていて、ブログの下書きに纏まりのない思考の断片が格納されておりまして。
良い機会なので、その断片を最低限読める感じに整えて、吐き出しておきましょう。

ーーーーーーーーーー

■日本酒と「ワイン」は似ているのか?

海外の酒の中で、日本酒と最もよく比較されるのは「ワイン」だと思う。
(自分も以前は、良く日本酒とワインを比較して物事を考えていた。)
両者が比較される大きな要因の一つは、ともに「醸造酒」であることだろう。

但し、それだけでは説明がつかない。
世界的に飲まれている醸造酒といえば「ビール」もあって、日本酒と同じく「穀物」から造るという共通点があるが、何故かあまり比較対象とされない。
(最近は日本酒とビールを比較する人が増えている気もするが。。。)

完全に想像だが、日本酒とワインが良く比較される要因は、
①製造方法に共通点がある(ともに醸造酒)
ことに加えて、
②ワインをあこがれの対象として捉えている人が多い
こともかなり大きいのではないかと思う。

で、自分はどう感じるかと言うと、実際に似ているかどうかはさておき、②の観点から比較することの意味はあるし、とても良いことだと思っている。
但し、自分自身のワインの経験値が、主に財力と肝臓の制約によって不足しており、主観に基づく独断と偏見で語れないのが悲しいところ。
(唯一「ちょっとは自分の経験に基づいて話せるかな」というのが、「日本酒の古酒・熟成酒」と「酒精強化ワイン」の共通性なのだが、双方ともマイナージャンルだし。。。)

■日本酒と「焼酎」は似ているのか?

これは言うまでもなく、ともに「和酒」であるという共通点がある。
さらに、日本酒と「米焼酎」であれば、原材料まで同じになるのでより親和性が増す。

ところが、焼酎をそれなりに飲んできて、特に米焼酎と粕取焼酎を愛してやまない自分としては、「味わいは全然似ていない」というのが正直なところ。
あえて似ている点を探せば、
・「吟醸酒」と「減圧焼酎」はエステリー(フルーツ)の感じが似ている。
・「純米酒や本醸造酒」と「常圧のそんなに熟成していない米焼酎」は、静かな感じが共通する。
とかそのくらいで、全面的に似ているとは言い難い。

そもそも自分は、日本酒と米焼酎に「お米の味や香り」をあまり感じないので、共通点が「静かな感じ(=味が弱い/無い)」というのも何か変だなと。。。
(ここを深堀りすると冗長になるので、今回は割愛する。)

ちょっと角度を変えて、「似ていると主張することによって何かが生まれそうか?」と考えても、あまり妙案が思い浮かばない。
アウトプットの味わい、アルコール度数が違うということは、飲むシチュエーション、販売のターゲットも全然違うということだからなー。。。

ということで、個人的には、日本酒と焼酎は「ただ同じ国で作られている」だけで、「実際似ていない」し「似ていると発信する意味や効果も乏しい」と思う。

■日本酒と「ウイスキー」は似ているのか?

そして、最後。
結論を言ってしまうと、現在の自分は、日本酒と一番似ている酒はウイスキーだと思っている

ウイスキーを飲むようになる前は、日本酒とウイスキーを比べるなんて1ミクロンも想像しなかったな。
こういうのは、節操なく色々な酒を飲んできた醍醐味というか、何というか。。。

最大の共通点は、日本酒もウイスキーも、味わいの淡い穀物に外部から要素を加えていく「足し算の酒」ということだと思う。

日本酒の原料は「米」で、ワインの原料のブドウと違って内部に水分をほぼ含まないので、外から水を加える。
製造工程で数多くの微生物が活動し、米と水を原料に味わいの要素を創造し、元々の米とは異なる味わいを次々に乗っけていく。

ウイスキーの原料は「大麦」で、やはり外から「水」を加える。
そして、麦芽(物によってはそれに付随してピート)の風味を与え、蒸留後の熟成段階で「樽」の風味をガツンと乗せる。

日本酒に関しては「引き算の酒」だという主張もよく聞くが、これは「精米」という一つの工程にフォーカスした「近年のモダンな日本酒」のイメージだろう。
他のの酒と比べて原材料の種類が多く、活動する微生物の種類も多く、工程も複雑な酒が、「引き算の酒」の訳はないと、自分としては思っている。

もう一つ、「地域の”文化”が表現されやすい酒」だということも、重要な共通点だろうと思う(そうあって欲しいという願望も含む)。

ワインは原料であるブドウの味わいが地域の自然条件によって大きく異なる。つまり、「地域の”自然”が表現されやすい酒」と言える。
それに対して、米は北海道産と九州産、もっと言えばカリフォルニア産と比較しても、味わいにそれほど大きな差は無い(おそらく大麦も同様だろう)。

では、日本酒とウイスキーが、それが造られる地域とどのような繋がりがあるかと言えば、それは地域の”文化”だと思う。
「そこにあるものを使って造られ始めた。」
「そこに住んでいる人が求めるものが造られてきた。」
みたいな、自然に根差しつつも、そこの人の生活や生業が乗っかってrいるイメージ。

そう言えば、ちょっと前に以下のようなツイートをしたことがある。
これは考えていてむちゃくちゃ楽しかったことをよく覚えている。


(もちろん、もっとワインに詳しくなれば、日本における日本酒の産地と、フランスにおけるワインの産地の比較もできるかもしれない。)

ーーーーーーーーー

以上が、下書きに溜め込まれていた内容。

改めて振り返ってみると、単純にこの時点で好き&よく飲むな酒が「日本酒」と「ウイスキー」の2つだからこそ、両者の共通点が強く感じられているということが読み取れますね。

こういう姿勢、嫌いじゃないです。
自分の経験に基づく独断と偏見、素晴らしいことじゃないでしょうか。
今後も、こんな調子で楽しくやっていきます。

<了>

長男(5歳)を連れて、沼津・熱海へ小旅行をしてきた。

※写真大量につきギガ死注意

久しぶりの投稿。
ここのところブログに書きたいことも特になく、日々の断片をTwitterに書くだけで事足りていた。
梅雨に入ってから週末が雨続きだったことや、次男の体調が悪かったこと(胃腸炎)もきっと影響しているのだろう。

で、先週の日曜日。
このまま家で悶々としていると発狂しそうだったので、長男を連れて小旅行に出掛けてきた。
リクエストを聞くと「東海道線の2階建てグリーン車に乗りたい」というので、行き先を沼津に設定して遅めの9時に出発。


■沼津

で、沼津。
意外にも、まともな街歩きはお初でございますね。

沼津港~昼メシ

ますは長男を楽しませようということで、沼津港の「深海魚水族館」に行ってみた。
内容はなかなか良かったが、価格に見合うかどうかと考えるとちょっと微妙な気も。
長男が喜んでいたので、小旅行のスタートとしてはまずまずか。。。
(父ちゃんが興味薄だったので写真はゼロ。)

水族館から出たらちょうどお昼時。
当初は沼津港で地魚でも食うか~と思っていたが、観光地っぽい雰囲気がちょっと苦手だったので、Google検索で見つけた大衆食堂まで歩くことに。
(港から外れて、ようやくカメラを取り出す気分になった。)

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おっ、ここやな。

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人類三大欲の一つであらせられるホルモン欲を満たす。

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適度に臭くて、これはなかなか好み。

ところで、長男のために頼んだ塩ラーメンがむちゃくちゃ熱い。
中身だけじゃなくて丼も激熱で、長男が食べるのに難渋していた。

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それはともかく、店主&常連さんは長男に優しくしてくれて、とても心地良い時間を過ごすことができた。
ありがとうございました、

「アーケード名店街」~仲見世商店街

午後は父ちゃんの時間ということで、以前から目をつけていた「アーケード名店街」へ移動。
もう、入口の看板を見ただけでガッツポーズをしたくなりましたね。
まあ、とにかく写真をご覧下さいませ。

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いやー、たまりまへんな。

こういう片持ち構造のビルの町並みと言えば、静岡市の清水銀座が思い出される。

どっちも素晴らしいけど、沼津の方は角地の建物が曲面になっているところが良い。
両方とも静岡県内で、建設時期も近いだろうから、同じ設計者が関わっていたりするんかなー?

そして、もう一つ、清水銀座と沼津「アーケード名店街」の共通点がある。
ともに旧東海道沿いにあって、鉄道駅近くの新たな繁華街にお客さんを奪われ、すっかり寂れてしまっているのだ。。。

名店街から沼津駅に向かって歩くと、ちょうど七夕祭りをやっていて、そこそこ賑わっていた。
(人が増えたので、写真を撮る意欲が失せた。)

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まったく新規募集感が無い看板。。。

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■熱海

来宮駅~日航亭大湯

沼津から熱海に移動してきた。

熱海の玄関口と言えば。。。イエス!!!キノミヤ(来宮)!!!
熱海駅がクソみたいな駅ビルに改築されてしまった現在となっては、熱海に来る全ての観光客は、ひと駅足を伸ばして来宮駅で下車する義務があるのだ!!!(知らんがな。)

熱海駅の改築に関しては、味わい深い木造駅舎を潰して駅ビルをおっ立て、よりによって「ラスカ」を入居させるとは、もう愚の骨頂としか言いようがない。
木造駅舎の解体は仕方なかったとしても、せめて尾道駅や湯河原駅のように「観光地の玄関」であることを意識した新駅舎にして欲しかった。。。

参考までに、以前撮影した熱海駅の破廉恥な姿を晒しておく。

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閑話休題。

まずは来宮駅の駅舎。
かつての熱海が別荘地であったことを偲ばせる、素晴らしい駅舎ですな。

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そして、来宮駅から熱海銀座に下っていく坂道が、それはそれは渋いのだ。

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そして、日帰り温泉の「日航亭大湯」に到着。
ここは二回目の訪問で、とても気に入っている。

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湯上りの休憩室で、父ちゃんは発泡酒、長男はアイスクリームで癒しのひととき。

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お湯は熱いので入浴時間は短かったが、休憩室でだらだらと長居してしまった。
ここは「お湯良し、人良し、居心地よし」。
熱海とは思えない静かな雰囲気を味わえるので、そういうのが好きな人にはかなりオススメ。

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何やら、かつては徳川家康がお忍びで来ていたとのことで、出口には葵の御紋がある。

熱海銀座~熱海駅

風呂上がりにのんびりしていたら良い時間になったので、ぼちぼち帰りましょうかね。
寄り道をしながら坂道を上って、不承不承熱海駅へと向かう。

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この界隈はむちゃくちゃ好み。

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相変わらずエエ雰囲気ですな。

その後はまっすぐ帰宅して、家族で夕食を食べて寝た。

長男は終始楽しそうで、自分にとってもかなり気晴らしになったということで、とても良い小旅行だった。

<了>

【決勝リーグ】牛乳割りワールドカップ2019日本大会

いよいよ決戦の夜!!!

大会レギュレーションはこちら↓
【予選リーグ】牛乳割りワールドカップ2019日本大会 - 人の見のこしたものを見るようにせよ。
予選リーグ激闘の記録はこちら↓
【予選リーグ】牛乳割りワールドカップ2019日本大会 - 人の見のこしたものを見るようにせよ。

★決勝リーグ選手入場!

※脳内でこの曲を流しながらご覧ください↓
FIFA アンセム - YouTube

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(左から)
農協牛乳(レフェリー)
グループA・1位 土田 initial F(日本酒)
グループB・1位 常陸山(正調粕取焼酎)
グループC・1位 六代目百合(芋焼酎)
グループD・1位 コーヴァル ドライジン(ジン)
グループE・1位 ワイルドターキー(バーボン)
各組2位の上位① ドン・アウグスティンクリスタルアネホ(テキーラ)
各組2位の上位② アラン10年(スコッチ、ノンピーテッド)
予選免除(ディフェンディングチャンピオン) 常徳屋 道中(焙煎麦焼酎)

★いざ決戦!

ぜんぶ一定水準以上なのは分かっているので、個性や持ち味を積極的に拾うことを意識してコメントを書いていく。

土田 initial F(日本酒)

シンプルに旨い。分かりやすい。それ故想像の範囲内でもある。
蒸留酒にない「味が融合する」感じは評価できる。
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常陸山(正調粕取焼酎)

旨いねー。実に旨い。チョコ牛乳~コーヒー牛乳。でも籾殻風味も健在。
複雑なのにまとまっている。スケールの大きさを感じる。
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六代目百合(芋焼酎)

焼き芋牛乳っぽい。そして、奥にある黒蜜っぽい感じがたまらん。
安心できる味わいで、日常的に飲めそう。
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コーヴァル ドライジン(ジン)

コクがあるのに爽やか。開放感。アウトドアっぽい。昼間に青空の下で飲みたい。
相性抜群で、わざわざ牛乳割りをやる意味があると思わせてくれる。
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ワイルドターキー(バーボン)

華やか。バナナの香りが広がる。分かりやすい。後口のほろ苦さがやや気になる。
バナナの強い香りが、樽のマイナス風味をマスキングしている印象がある、
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ドン・アウグスティン クリスタルアネホ(テキーラ)

甘美。ハチミツ感。そこに青草の爽やかさでしつこくならない。
テキーラの個性はちゃんと生きているし、相当良い組み合わせなのでは。
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アラン10年(スコッチ、ノンピーテッド)

深い。キャラメルの奥行き。後口のほろ苦さがやや過剰か。
やっぱり牛乳と樽の組み合わせはそんない良くないので?と思ってしまう。
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常徳屋 道中(焙煎麦焼酎)

焙煎麦の香ばしさが牛乳と融合。これは間違いない。
ディフェンディングチャンピオンの貫禄。このままRTDにして売れるのでは。
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★最終順位発表!

※脳内でこの曲を流しながらご覧ください↓
Chariots of Fire • Main Theme • Vangelis - YouTube

第8位 アラン10年(スコッチ、ノンピーテッド)

わざわざ牛乳割りにして飲むことはない。普通に飲んでめちゃくちゃ旨いから普通に飲もう。

第7位 ワイルドターキー(バーボン)

牛乳割りは十分アリだと思う。思うが、うーん、まあ別にいいかと。

第6位 土田 initial F(日本酒)

大健闘。他にない持ち味を感じた。が、個性という点で少々物足りなかった。

第5位 六代目百合(芋焼酎)

予選ではトップクラスだと感じたが、決勝リーグの猛者に混じるとパンチ力不足。

第4位 ドン・アウグスティンクリスタルアネホ(テキーラ)

原料のアガベ(リュウゼツラン)の風味が長所になっているところが高評価。また時々やりたい。

第3位 常徳屋 道中(焙煎麦焼酎)

たぶん誰が飲んでも高評価をつけるだろう。とにかく完成度が高い。
この域に達して初めて「牛乳割り推奨」と言えるのではないか。

第2位 常陸山(正調粕取焼酎)

とにかく癖が強くて飲み手を選ぶ正調粕取焼酎が、こんなふうに化けるとは思わなかった。
今回の企画で一番楽しくてワクワクした。
プロの人の感想を聞きたい。

第1位 コーヴァル ドライジン(ジン)

初めて飲んだ瞬間、思わず「おおお!!!」と声が出た。
それが自分の経験値不足によるものだとしても、素直な感動は大切にしたい。
さすが、カクテルとしてそういう組み合わせがあるだけのことはある。
やはり先人は偉大だ。

ーーーーー

以上、長く激しい戦いが終わった。
このしょうもない記事を、最後までお読みいただいた奇特な方々に感謝。
ありがとう!ありがとう!
<完>