【ウイスキー1周年特集<序>】日本酒ファンの自分がウイスキーを飲み始めた理由
このブログをご覧頂いている方はお察しのことと思うが、自分はいわゆる「日本酒クラスタ」に属している。
日本酒を趣味とし始めててから約10年が経っており、それなりの本数を買ったり飲んだりしたことに加え、一時は好きが高じて酒関係の仕事をしていたこともある(現在はサラリーマンに復帰)。
そんな自分が、去年の7月から「ウイスキー」にハマり、ちょうど1年が経った。
最初は軽い気持ちで試してみたのだが、いまでは日本酒に次いで好きな酒になっており、もしかすると肩を並べる日がくるかもしれない。
そこで、以下の四回に分けて、この1年のウイスキー経験と現在考えていることを記録しておこうと思う。
- <序>日本酒ファンの自分がウイスキーを飲み始めた理由
- <前編>次々に覚醒する「アクワイアード・テイスト」
- <中編>「ブレンデッド」の「家飲み」から広がる世界
- <後編>日本酒から見たウイスキー、ウイスキーから見た日本酒
さっそく<序>を始めよう。
■「玉箒」のマスターとの出会い
自分がウイスキーに至る前の酒遍歴はだいたいこんな感じ。
ティーン期 遺伝的に弱いと分かっていたので飲酒に無関心
— わっしーと呼ばれています。 (@wassy1974) 2018年6月7日
1995頃 大学体育会系の無茶な飲酒で酒全般が嫌いに
2005頃 仕事や旅行を通じて地酒が気になり出す
2008 同僚の薦めで「天遊琳」を飲んで日本酒に開眼
2009 香り系吟醸酒が苦手、純米酒が好きなことに気づく
(続く)#日本酒遍歴が知りたい
(続き)
— わっしーと呼ばれています。 (@wassy1974) 2018年6月7日
2010 「僕らの酒プロジェクト」の酒米栽培に参加(~2016)
2011頃 熟成酒やアル添も面白いことに気づく
2016 脱サラして酒蔵(4ヶ月)と酒販店(7ヶ月)勤務
2017 復サラして焼酎、ウイスキー、ワインも好きになり、酒全般がますます楽しく(イマココ)#日本酒遍歴が知りたい
もともと体質的にアルコールに弱いので、日本酒を好きになってからも、度数が高い蒸留酒に対して大きな苦手意識があった。
なかでもウイスキーは、アルコール度数が高いうえに独特のクセがあるので、正直言って「嫌い」だった。
なお、20代後半のころに、アメリカ音楽への憧れから一時期バーボンを嗜んではいたものの、格好をつけていただけで心の底から美味しいと思うことはなかった。
そんな思い込みを変えてくれたのは、新橋にある「玉箒」というバーだ。
- ジャンル:バー
- 住所: 港区新橋3-18-3 三青ビル B1F
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- (写真提供:海が好き)
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ここは「日本の酒の史料館」「大人の秘密基地」と銘打っており、あらゆる日本産の酒が揃っている。日本酒、焼酎、ビール、ウイスキー、ワイン、ジン、ウォッカ…等々、本当に選び切れないくらいの種類がある。
そして、日本産の酒と比較して楽しむための素材として、外国産の酒も相当な量を取り扱っている。
だが、玉箒の真骨頂はその先で、マスターの酒の飲ませ方、その背景として持っている歴史や文化に対する理解がもの凄い。
散々酒で遊び倒してきたが、まだまだ留まることを知らない。玉箒のマスターからは、そんなオーラがビシビシと放たれている。
それでいながら、お客さんに対して無駄なウンチクをたれることは一切無い。
常にお客さんの居心地の良さを最優先にしつつ、時々豊富な引き出しの中から、酒にまつわる興味深い話題を聞かせてくれたり、意外性のある飲み方の提案をしてくれる。
これ以上書くと玉箒の紹介記事になってしまうので、この辺りでやめておこう。
もっと知りたい方は、ライターさんがとても上手に書いている以下の記事をどうぞ。
■そして興味は「樽」へと向かう
閑話休題。ウイスキーにハマった経緯を書いていこう。
まず、一昨年に初めて訪れた玉箒で焼酎に開眼し、蒸留酒への苦手意識が無くなった(この辺りも書くと長くなるので大割愛)。
そんなある日のこと。久しぶりに顔を出した玉箒で、「ちょっと面白いのがあるので飲んでみますか?」と、深く褐色に色付いた蒸留酒を出してくれた。
新橋飲み三つ目。某黒糖焼酎を独自に長期樽熟成させた逸品を飲んでおります。いや、これ、マジ美味過ぎでしょう!!! pic.twitter.com/Hcidn3KkFb
— わっしーと呼ばれています。 (@wassy1974) 2016年11月18日
これは「樽」への興味が芽生えた決定的瞬間だった。この日は樽熟成について根掘り葉掘り聞きまくった記憶がある。
以降、ジャンルを問わず樽熟成の酒を積極的に飲むようにした。
やっぱり美味いと言わざるを得ない「らんびき」の原酒。麦焼酎だが「米麹+麦」なので、変に麦麦しくないところが良い。そこに10年分の樽香が乗っかり、バニラ~油粘土のニュアンスが感じられる。法規制を無視してもっと樽熟をキツくすれば、バーボン方面に進化していきそうな。。。 pic.twitter.com/KBgJxTMYlr
— わっしーと呼ばれています。 (@wassy1974) 2017年4月28日
リタファーム&ワイナリーの「樽デラ」を開栓。ジュース的ワインになりがちなデラウェアに、野生酵母、マセラシオン、樽発酵&熟成で味の要素を乗っけて、複雑さと奥行きを備える嗜好品に仕立て上げたという印象。ハチミツっぽい風味が非常に好み。外見の僅かに濁った黄金色も良い。 pic.twitter.com/mmA3B8UY0F
— わっしーと呼ばれています。 (@wassy1974) 2017年5月24日
擬似酒精強化日本酒、壱岐焼酎、鹿児島の麦焼酎、テキーラ、アイリッシュウイスキー、ぜーんぶ樽熟成。楽しすぎる。。。 https://t.co/5KaGPdm7zi
— わっしーと呼ばれています。 (@wassy1974) 2017年6月16日
そして、玉箒のマスターが持っているのと同じミニ熟成樽を買って、自家樽熟成の実験を始めた。
ついでに、ちょうどその頃に目出度いことがあった酒友2名にプレゼントして、半ば強引に自家樽熟成の世界に巻き込んだ。
(参考)「天使のミニ樽」
※ 自分が買ったのは一番安いシルバーの1リットル。
なぜ自分がここまで「樽」に食いついたのか。
日本酒では「樽」がマイノリティなので、そこに「新鮮味」を感じたというのがまず一点あったと思う。
そしてもう一点、かつて「樽」は世界中のどこでも一般的だった(≒それしかなかった)が、近代化の中でそれを捨てなかった酒(ウイスキーやワイン)と、捨ててしまった酒(日本酒や焼酎)があることに、激しく「知的好奇心」を掻き立てられたのだ。
■こうしてウイスキーにたどり着いた
ここまで来れば、もう答えを書いたようなもんだろう。
自分に限らず、「樽熟成と言えばウイスキー」というイメージの人は、相当多いと思う。
焼酎の樽熟について理解と思考を深めるためには、大先輩のウイスキーに学ぶのが手っ取り早かろうと思うが、何せ下戸なので知識も並行して。。。 pic.twitter.com/0pgYDSq3fJ
— わっしーと呼ばれています。 (@wassy1974) 2017年4月29日
そして、自宅から一番近い蒸留所(キリン富士御殿場蒸留所)のウイスキーを買ってみた。
自家樽熟成焼酎を待つ間のつなぎとして、キリンの「富士山麓」を買ってみた。これ、1000円ちょっとにしては良いんじゃ無いですかね? 加水した時に立ち上って来るバーボンっぽい樽感とバニラ感、そしてアルコールが尖っていないあたりは、「樽熟原酒」を名乗るだけのことはあるかと。 pic.twitter.com/S6DXC96fjc
— わっしーと呼ばれています。 (@wassy1974) 2017年7月20日
振り返ってみると、自分のウイスキーへのアプローチは、完全に「頭でっかち」だったことが良く分かる。
そしてこの頃は、ウイスキーを本当に美味しく飲んでいたかどうか、甚だ怪しかったと思う。
ところがこの後、「アクワイアード・テイスト」に目覚め、ウイスキーの味わいに本格的に開眼することになるのだ。。。
<続>