板橋でウイスキーを買い、イタリアンを食べてきた。
4月最初の金曜日のこと。
洋酒の先輩として仰ぐ友人E君と、初心者O君&わっしーの3人で遊んできた。
集合場所は板橋。
この界隈を歩くのは始めてだが、なかなか渋い建物が多い。
最初の目的地は、ウイスキーショップ「M's tasting room」。
ここは有料試飲が充実しているので、テイスティングをしながらじっくり商品を選べる。
また、オフィシャルだけではなく、ボトラーズの長熟ものが充実しているところも楽しい。
店長(?)のヨシムラさんという方がいなかったので、E君のアドバイスを受けつつ色々とテイスティング。
特に印象深かったのは、E君おすすめの「アラン18年」で、キャラメルっぽい濃縮感が好みだった。
あとは、O君がテイスティングしていた「ボウモア」の何か(詳細は忘れた)もとても良かった。
最後に「アラン10年」を買おうと思ったが品切れとのことで、E君の示唆を受けて「アバルフェディ12年」をチョイス。
そしてもう一点、この店オリジナルのブレンデッドモルトウイスキーから、「アイランズ(ISLANDS)」も購入。
約1年半ウイスキーを飲んできて、どうやらアイランズ地域のスコッチが好みっぽいと思っていたが、この日一番気に入ったのもアイランズの「アラン」だった。
こうなったら、当面はアイランズを深堀りしてみるのも良いかもしれない。
さて、次は飲み食いということで、地元民のO君に身を委ねる。
行き先はイタリアンの名店「松月」。イタリアン?
ディ・モールト・渋いぃぃぃ!!!
いやー、これは最&高の極みですな。
最近入った居酒屋の中でも出色の居心地の良さ。
居酒屋イタリアンを堪能しつつ酒のマニアックトークを繰り広げて、この日は終了。
ハイパー楽しゅうございましたね。
洋酒パイセンのE君、板橋ホストのO君に感謝。
買い物&頂き物については別途書く。
【個人的愛好度】
★★★★★:殿堂入り
松月(イタリアン居酒屋)
★★★:是非再訪したい
M's tasting room(ヨシムラさんがいる時に行きたい。)
<了>
「笹の川酒造・安積蒸留所」を見学してきた。
※画像大量につきギガ死注意。
ようやっと年度末の荒波を乗り越えた3月30日土曜日。
仕事を頑張った自分へのご褒美っつーことで、福島県郡山市にある笹の川酒造・安積蒸留所の見学ツアーに参加してきた。
◼️安積蒸留所との出会い
あれは1年半前、2017年の秋のこと。
ちょうどウイスキーに興味を持ち始めてネットで色々と調べていた時に「安積蒸留所」の記事を見つけた。
そして、さらにネットをサーフしてみると、何と「樽オーナー」を募集しているという魅力的な情報が。
もちろん、瞬時に応募を決断。
※上記は2018年の募集。自分が応募したのは2017年だが、そのページは既に閉鎖された。
今回の蒸留所見学ツアーは、この樽オーナー参加者向けの特別企画として開催された。
◼️いざ、蒸留所へ。
せっかく郡山まで行くのだから旅行と引っ掛けたかったが、諸事情により長男同伴の弾丸日帰りツアーに。。。
郡山駅から路線バスで移動。
バスは「正直」行き。面白い地名やなー。
乗客は全員、蒸留所見学ツアーの参加者だった。
エントランス~受付の様子。
徐々にテンションが高まって来る。
お子様OKということで長男(5才)を連れて来たが、内心では本当に大丈夫かと不安に思っていた。
だが、受付でいきなりフレンドリーに接してもらい、その後もスタッフや他の参加者の方々に温かく対応して頂いたお蔭で、親子で楽しむことができた。
先にお礼を書いておきます。皆様ありがとうございました。
◼️いよいよ、工場見学。
さて、本番の工場見学。
本体がそこそこの規模の清酒メーカーっつーことで、敷地はかなり広い。
いよいよ樽の貯蔵庫へ。
断熱とか全くしていなさそうな鉄骨造の倉庫。
内陸の郡山は寒暖差が大きいので、熟成が早く進みそうな気がする。
内部は、樽!樽!樽!樽尽くし!
多い順からバーボン樽、スティルワイン樽、酒精強化ワイン樽という感じ。
その他、スコッチ樽、コニャック樽、ラム樽などもあった。
子供の世話があってあまり質問できなかったのは残念だったが、樽を眺めたり香りを嗅いでいるだけでも感動的で、めちゃくちゃ幸せな時間だった。
もちろん我々オーナーの樽も鎮座しております。
バーボン樽っすね。
続いて蒸留設備の見学。
樽に見惚れて出遅れたせいで、全く説明を聞けなかった。
まあ、自分は蒸留よりも樽熟成に興味があるので、そんなに後悔はしていないが。
◼️続いて、懇親会。
工場見学の後は、敷地内のアートスペースで懇親会。
メインエベントは、樽熟成中のマイカスク(約2年経過)のテイスティング。
うん、新焼酎にも通じるニューポッティーさを残しつつ、そこそこ樽香も出ている。
さらに、オーナーウイスキーのラベル原案の展示もあった。
3年後の蔵出しが待ち切れない!!!
他にもいくつか試飲があって、なかでも「山桜」のワインカスク3種飲み比べ(カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シャルドネ)が面白かった。
懇親会の途中で主催者挨拶があり、樽オーナーについて「今年で終了の計画だったが、継続を検討中」との嬉しい報告があった。
しかも、「来年やるとすればミズナラの新樽を検討している」という発言があり、この瞬間は会場内が大きくどよめいた。
今年のシェリー樽は見送ったが、ミズナラ新樽が実現するなら絶対にエントリーしようと思う。
これはますます目が離せない!!!
■最後に、ショッピング。
帰りがけに、敷地内の直売所でショッピング。
さんざん迷った末に、リュックに入る限界の6本をお買い上げ。
ついでに最高額の「山桜18年シェリーカスクフィニッシュ」(24,000円)を有料試飲(500円)したが、これがむっちゃフルーティーかつ円やかで美味しかった。
帰宅後の酒画像をどうぞ。
ホクホクでございますね。
■そして、帰途につく。
蒸留所見学はこれにて終了。
木造駅舎が残っている安積永盛駅から帰途についた。
長男を公園で遊ばせる予定だったが、雨だったので郡山駅前のラウンドワンでミニボウリングをして、それから新幹線で東京に帰った。
◼️終わりに。
この樽オーナーは、3.11大震復興プロジェクトの一環として実施されている。
大震災の直後、自分も被災地を「買って応援」しようということで、福島県の日本酒をよく買っていた。
ところが、福島県の日本酒をは総じて甘いため自分の口に合わず、応援し続けることが苦しくなっていた。
そこでタイミング良く福島県のウイスキーと出会い、しかも趣味と支援を兼ねた素晴らしいプロジェクトに参加できたことは、とても幸運なことだと思っている。
という訳で、これからも安積蒸留所を応援していきます。
<了>
ジョージアワイン展に行ってきた。
みんな大好き(?)ジョージアワインのイベントがあるというので、金曜日の仕事帰りに行ってきた。
場所は天王洲アイルの寺田倉庫。
入場すると、最初に映像を見るように促された。
気合が感じられる好内容。
お次はパネル展示。
長い歴史の中で紆余曲折があり、特に20世紀のソ連→ロシア時代は史上最大のピンチ、そこから急速に復興して現在に至っていることが良くわかる。
さらに、ワインの歴史を示す遺物の展示。
容器の造形とかが面白い。
二階に上がってお待ちかねの試飲コーナー。
ラインナップはかなり豊富。
ここでちょっと問題発生。
どれを飲んでも比較的キレイな味で、自分が持っていたジョージアワインのイメージと全然違う。
そこで、試飲スタッフの方に「実はワインは初心者で、ジョージアは”アワ・ワイン”とか数種類しか飲んだことないのですが。。。」と話を振ってみた。
すると、そのスタッフの方、「ああ、アワ・ワインは美味しいですよねー。ああいうのがもっと理解されると良いのですが。。。」という答えが帰ってきた。
さらに、「普通のワインではブランドが確立されている有名産地には勝てない。アワ・ワインのようなワインこそが、個人的にはジョージアらしさを表現していると思う。」とも。
実際のところ、伝統製法の個性的なワインは多くないようで、この試飲ラインナップもある程度はそういう実情を反映していると思われる。
最後に、ちょっと離れた場所の販売スペースへ。
ワインだけではなく、ジュースも売っていた。
店頭に立っていたのは、かつて大田区でジョージアワイン専門店を開いていた「H&M」というインポーターのスタッフの方で、親切に質問に答えてくれた。
ここでもやはり、ジョージアワインの大半は大手生産者によるヨーロッパスタイルの製品であり、小規模生産者の個性的なワインはなかなか日本に入ってこないという話題が出た。
自分が今まで飲んできた「アワ・ワイン」や「フェザンツ・ティアーズ」は、伝統製法を守る小規模生産者の製品とのことで、どうやら自分のジョージアワインへのエントリーは恵まれたものであったらしい。
もう一つ余談だが、ジョージアはラグビーが盛んで、レロ(ジョージア語で「トライ」)という名前の赤ワインを見つけた。
今年の秋に開催されるラグビーW杯日本大会を記念したボトルとのこと。
最後に、この日の釣果。
まずは、イベントのパンフレット。
分厚くは無いが充実の内容で、これだけで入場料1000円の価値があるかもしれない。
そして、ワインとジュース。
ワインは、伝統製法かつスモーキーで独特の香味があるというアンバー(オレンジ)ワイン。
ジュースはどれも個性的で面白かったが、息子らが飲めそうなザクロとミックスをチョイス。
(チョイスしなかった黒ニンジンのジュースは完全に腐葉土の味で面白かったが。。。)
このイベントは、小ぢんまりした展示ながらも力が入っていて、無料試飲まであることを考えると、入場料1000円は格安と言って良いだろう。
ジョージアワインに少しでも興味があるならかなり満足できると思う。
皆様も是非行ってみてくださいませ。
<了>
荻窪から西新宿まで旧道っぽいルートを歩いた。
※写真大量につきギガ死注意
日付を遡って先々週の日曜日のこと。
旅館西郊に泊まった翌日、荻窪から西新宿まで、Googleマップを眺めながら旧道っぽいルートを歩いた。
ルートは以下の通り。
◼️荻窪(旅館西郊)~東高円寺
この区間はほぼ青梅街道に沿っているし、沿道に寺とか銭湯があったので、てっきり青梅街道の旧道かと思い込んでいた。
だがしかし、帰宅して調べても特に来歴は見つからなかった。
おそらく、古くからの生活道路だと思われる。
では、スタート。
日曜の朝8時くらいということで、街はまだ静かですね。
新高円寺駅界隈に到着。
タクシードライバー御用達っぽい24時間営業の食堂で朝メシ。
これは化学の旨味!
スープを一滴も飲めんかった。。。
向かいにあったメゾン。
飲んべえ専用メゾンなのか?
さて、さらに東へと進みましょう。
いきなり寺町っぽくてエエ感じっすね。
東高円寺駅付近に到着。
旧道と思われる道が途切れたので、別のそれっぽい道に向かって南下。
◼️東高円寺~中野坂上<妙法寺参詣道>
ここも青梅街道の旧道だろうと思っていたが、あとで調べてみたら、どうやら「妙法寺」というお寺に向かう参詣道だったようだ。
旧道ムード満点でむっちゃ楽しい(当社比)。
新中野駅付近を通過。
中野坂上駅付近に到着。
◼️中野坂上~西新宿五丁目
ここからは知っている道を歩く。
神田川の周囲はアップダウンとクネクネがあって楽しい。
最後は西新宿五丁目駅でフィニッシュ。
距離的には10kmくらいということで大したことなかったが、無目的に街をぶらぶらできて楽しゅうございました。
<了>
荻窪の「旅館西郊」に泊まってみた。
※写真大量につきギガ死注意
何年か前に荻窪の街をふらふらと歩いていた時に、「西郊ロッヂング」なる激渋の建物を発見。
なんやこれはと調べてみると、表の洋館はマンションで中に入れないものの、奥に激渋の旅館があるということ知って、いつか泊まってみたいと思っていた。
とはいえ、自宅から荻窪までは電車で1時間半くらいで往来できるので、わざわざ泊まるのは勿体無いよなー。。。と二の足を踏むこと数年。。。
そして、ついに決行の時がやってきた。
旅館西郊は、荻窪駅から徒歩5分くらいの場所にある。
前のエントリに書いた通り、土曜日に代々木公園と西荻窪で飲んだ後、22時半くらいに現地に到着。
玄関に入るといきなり「俺たちの剣菱」の洗礼。
だが、それ以外は思いがけず洋風っぽい空間で、床は寄せ木、天井にはシャンデリア、そして正面の階段はレッドカーペット。
穏やかな感じの女将さんが出迎えてくれて、ソファにてチェックイン。
2階の「鶴」に案内され、期待に胸を膨らませながら扉を開ける。
有り体に言って最高でございますね。
部屋は狭く、壁は薄くて、そういう基本構造は庶民向け旅館のスペックだが、細部が妙に凝っていて、全体としてのアンバランス感がたまらんですね。
特に船底のような形の天井と、酔っ払い1体を含む河童の置物が印象的。
当初は翌朝に館内をくまなく見て回るつもりだったが、玄関と部屋の素晴らしさで興奮してしまい、深夜の館内ツアーを敢行することに。
いやー、眼福。
エエもんを見せ頂きました。
さあ、風呂に入って寝るか。。。
ーーーーーーーーーーー
おはようございます。
まずは部屋からの眺めと室内をどうぞ。
館内ツアー第2ラウンド行きましょう。
部屋の鍵は二段階方式。初めてのタイプ。
朝陽が射し込んで、昨晩とはまた違った雰囲気。こちらの方が好きかも。
玄関でばったり出会った支配人さんに色々とお話を伺ったが、Wikipediaの記事以上のことは聞けなかったので、素直にリンクを貼っておく。
興味深かったのは、現在の旅館部分が、建築当初は「全室洋間の高級下宿」だったっつーことかな。
玄関は洋館の片鱗がある気もするが、部屋は全くそんな過去は想像できませんな。。。
あと、西郊ロッヂング(手前のマンション)の方は内部が現代風にリフォームされているとのこと。入口にはオートロックがあった。
この日は朝食無しだったので、8時前には退散。
2人部屋の1人利用、素泊まりで9000円だった。
最初の方にも書いたが、旅館としてのスペックはごく平凡であり、設備も古いままなので、万人にオススメという訳ではない。
その一方で、接客はとても温かく、掃除は行き届いている印象だったので、マニアックという程でもない。
街歩きや建物に興味がある向きには、かなり興味深いエクスペリエンスになるだろう。
最後に外観を見て行こう。
さらば西郊。
ここを起点とする街歩きについては、次のエントリで書く。
<了>
記念日にかこつけて色々と飲み食いしてきた。
タイトル通りでございます。
あとは適当な文章と写真をどうぞ。
◼️ポルトガル料理「クリスチアノ」
代々木公園の近くに「クリスチアノ」という有名なポルトガル料理店があって、行ってみたいと思いつつも「お子様連れ不可」なのでチャンスが無かった。
今回は某記念日っつーことで、息子ズを妻の実家に預かってもらい、夫婦で念願の初クリスチアノでございます。
グラスワインのリストを眺めると、スティルワインはよりも酒精強化ワインの品数が豊富だった。
そこは開栓後の品質管理の容易さ故でしょうな。
せっかくなので、ルビーポートとマデイラ(ヴェルデーリョ)をチョイス。
あとは料理の写真を並べておく。
いやー、よう食べました。
どれも割かしシンプルな調理法で、塩、油脂、ハーブ&スパイスをガッツリ利かせた感じ。
何となく、日本の居酒屋料理に近いアプローチかなーと。
特に印象深かったのは、豚の血が入った炊き込みご飯みたいなやつ(ルビーポートと合う!)、歯ごたえと臭みが適度に残った穴子の唐揚げ、正体不明のハーブorスパイスをやや過剰に感じるウサギの煮込み、とかその辺り。
店内はワイワイガヤガヤと賑やか。カウンター席もあって、使い勝手は良さそう。
カジュアルに本場っぽい味を楽しめるっつーことで、人気があるのも頷けるなーという感じでございました。
◼️西荻窪の日本酒バー「をかしや」
その後、荻窪に流れて二軒目。
武蔵関の酒屋「大塚屋」のご主人から推薦された「をかしや」へ。
バーかスナックの居抜きと思われる空間だが、店主が女性ということもあって、全く場末感はございませんね。
先客の常連さんが席を詰めてくれたお蔭で、ギリギリ2名で滑り込めた。
お通しはトムヤムクンっぽい感じのスープ。日本酒とエスニックというのは最近のトレンドですかね。
ここの売りは「日本酒と和菓子のマリアージュ」と聞いていたので、練り切り(ゆず)とオススメの日本酒を頼んでみた。
練り切りを目の前で作ってくれて楽しい。
それに合わせる日本酒は、何と「僕たちの新政!」の酸っぱいやつ。
どうでも良いが、何となく新政は「僕たちの」という枕詞をつけたくなる。
その一方で、自分の好みは「俺たちの」という枕詞が似合う日本酒だったりする。
この組み合わせは面白いなー。
練り切りを食べた後に新政を口に含むと、甘味が相殺されて酒に一本筋が通ったように感じる。
以前、千駄木の「薫風」で、柚子の和菓子と木戸泉を合わせて良かったことを思い出した。木戸泉も酸が強いから、同じようなセオリーかもしれんね。
連れの方は、桜餅と、惜しまれつつラベルが改悪(?)された「にいだしぜんしゅ」。
蔵の姿勢と瓶の中身が好きなだけに、未だに新しいラベルに納得できておりませぬ(なので写真をぼかしておく)。
これは両者の甘味が手を携える感じで、確かに相性が良い。
この後、店主と常連さんとポルトガルのこと、大塚屋さんのこと、粕取焼酎のこと等々で盛り上がった。
話の弾みで獺祭の煎餅を頂いたが、そのお味は「これ…サラダソフトとちゃうん?」という感じ。
良い気分で切り上げて店を出ようとすると、窓際に何かがある。
一瞬置物かと思ったが、まさかの生ミミズク。「ある」じゃなくて「いる」だった。
かわええのう。。。
この日はこれにて解散。
気になっているが一人では行かないであろう店に行けて、とても良い機会だった。
連れは息子ズを預けている保谷の実家へ、わっしー氏は予約してある荻窪の「旅館西郊」へ向かったとさ。
続きは別のエントリで。
<了>
草津よいとこ一度はおいで。
以前「僕らの酒」で一緒に酒米を作っていた仲間たちと、草津温泉へと一泊二日の旅行に出掛けて来た。
我が家はファミリー4人でレンタカーに乗って、朝の8時半に出発。
◼️道の駅で田舎蕎麦を食らう。
最初の目的地は、群馬県中之条町の「道の駅 霊山たけやま」。
道中で事故渋滞が2箇所もあって、約1時間遅れのお昼時に到着。
早速、道の駅にある「そば処けやき」で田舎蕎麦&舞茸の天ぷらを食らう。
この「けやき」は、蕎麦の良し悪しが分からない自分が贔屓にしている数少ない蕎麦屋で、今回で4回目の来訪となる。
ここの田舎蕎麦は「わしわし、がつがつ、もりもり」と食べる感じで、めっちゃ気に入っている。
また、味わいに加えて、立地が微妙かつコンテンツが地味なせいか、いつ来ても混んでいないのも良い。
蕎麦と言えば、今日では「こだわり」とか「洗練」のようなイメージが定着しているが、元々は真逆で、米が取れない山間部で食いつなぐための常食だった。
自分は「けやき」の蕎麦にこのような原初性を感じて、勝手に気に入っている。
いやー、旨かった。満腹。満足。
◼️草津温泉で花火と夜の散歩を楽しむ。
この時点でかなり草津温泉に近づいていたが、長男が車酔いを発症したのでゆっくり移動して、草津温泉への到着が15時くらいになってしまった。
草津温泉はこれまで何度か近辺を通り掛かっていて、日帰り入浴はしたことはあるが、宿泊するのはお初でございます。
スキー場で1時間ちょっと息子らを雪遊びさせて、友人が予約してくれた宿にチェックイン。
宴会ができれば良いっつーことでリーズナブルな宿を選んでくれたが、部屋からの眺めは素晴らしかった。
この日は夜に花火があって、ベランダはまさに特等席
せっかくなので、夜の散歩っつーことで「湯畑」のライトアップを見に行った。
寒かったので短時間で退散したが、もうもうと上がる湯気がライトによって浮き立ち、草津らしい「景」が演出されていてとても良かった。
◼️翌朝の散歩
翌朝も早起きして散歩。前日とほぼ同じコース。
うむ、正直言って夜の方が断然良い。っつーか、見る順番を間違えたか。。。
これが最初なら感動できたに違いない。きっと。
さらに街並みを歩く。
高低差とカーブがあってエエっすな。
草津温泉の中心街は、狭いすり鉢地形の底に当たる。
決して古い建物が多い訳でも、デザインが統一されている訳でもないが、湯畑を中心とする狭い範囲に中小規模の建物がひしめくことによって温泉地らしい風景が形成され、なおかつ賑わいが分散されずに凝縮している。
そして、真ん中に湯畑という確固たるシンボルがあって、これが渦のように観光客を引き寄せる。
草津温泉の魅力は、湯畑を中心とする中心街のフィジカルの風景にこそあるのだろう。
ここ最近、観光の分野では「モノ消費からコト消費へ」という意味不明のフレーズが流行しているが、やはり観光の本質は「目に見えるモノ」であって、「良質なモノがあってこそコトが生きる」と、草津温泉を訪れて再認識した。
◼️帰途&帰宅後
その後は、淡々と朝食を取り、息子らを雪遊びさせ、関越道の渋滞を避けるため早目に帰りましたとさ。
道中で特急列車と並走して、息子ら大はしゃぎ。
中之条の「ひのや酒店」で、いま話題の土田酒造「土田 山廃酛×菩提酛」を買ってそこそこ満足。
その後、何気なく立ち寄った渋川のスーパーで、同蔵のレギュラー「誉国光 山廃純米」が置いてあってテンション上がった。
やはり、旅先で買う酒は地元住民向けのレギュラーでなくては。
帰宅後、鶏肉とかセリとかで鍋を作って、早速買ってきた土田酒造ズを楽しんだ。
酒も鍋も大変美味しゅうございました。
今回の旅行は息子らを遊ばせることが主目的だったが、果たして同年代の子供たちと仲良くはしゃぎ回っていた。
また、大人は大人で、僕酒の旧交を温められてとても良かった。
幹事のキヨさん、そして皆さん有難うございました。
たぶん、また来年。
◼️個人的愛好度
★★★★★:殿堂入り
そば処けやき
★★:ついでがあれば再訪したい
草津温泉
上記を踏まえて「WACHLIN(わしゅらん)」を更新した。
<了>
ロースかつ定食700円で始まった新橋の夜。
水曜日の夜のこと、ツイッターランドで知り合ったE君、あのcongiro御大、わっしーの3人で飲んできた。
E君は先日の「往復書簡」のお相手で、リアルではこの日が初対面。
面子から察するに、ほぼ食べずに酒を飲むことになりそうだと思ったので、あらかじめロースかつ定食700円でお腹を満たしておいた。
集合場所は、毎度お馴染みWACHLIN(わしゅらん)5つ星の名店「ひらの」でございます。
初対面の客人をお招きするということで、前日に電話で平謝りして出禁を免除して頂きました(予約したとも言う)。
この日は、まず「ひらの」で日本酒を程々に飲んで、その後「玉箒」で出禁(満席)を食らって矛先を変え、銀座のマデイラワイン専門バー「マデイラエントラーダ」でフィニッシュ。
E 君は先日の記事からお察しの通りかなりの知識と経験値をお持ちで、特に蒸留酒に関しては自分の3周くらい先に行っていそうな感じがした。
そこにC 氏まで加わったもんだから会話がますますヒートアップして、途切れることなく4時間近くひたすら酒のことを話し続けた。
そんな感じだったので、いつものような飲み食い日記ではなく、特に印象深かった会話の内容を雑記的に記録しておこうと思う。
◼️「カプ系日本酒」が苦手な理由。
まずは自己紹介をして、E君と互いの酒の好みを話していた時に、お互い「香り系、特にカプロン酸エチル系」の日本酒が苦手だというところで意気投合した。
しかも、嫌いな理由が「フルーティーな香りの背後に“雑巾”のような香りを拾うことが多い」で一致したところが笑えた。
自分は普段、香り系が好きな人の気分を害さないように「刺激が強くて苦手なんです。」くらいしか言わないようにしているが、この日は内心に溜め込んでいた本音を吐き出せて面白かった。
また、自分もE君も、蒸留酒のフルーティーな香り(エステル香)は苦手ではない(むしろ大好き)なのだが、日本酒に限ってフルーティー系がが苦手というのも共通していた。
◼️実は誰もワインの全貌など把握していないのでは?
次に、3人がそれぞれ別々に行ってきた「世界を旅するワイン展」のことを話し出して、ワイン(スティルワイン)の話題に移った。
そして、おそらく一番ワインの経験値が高いE君が、「ワインは産地とかぶどうの品種とかが際限なく多いので、実は誰もワインの全貌など把握していないのでは。そして、プロでも意外と適当なことを言っているのでは。」と、面白い指摘をしていた。
そうかもなー。そうだよなー。そうに違いない。
何となくワインに対するハードルが下がった。
◼️ウイスキーのオールドボトルが美味いのには理由がある。
ウイスキー初級者の自分は、いわゆるオールドボトルをほとんど飲んだことがないので、本当に美味しいかどうかE氏に聞いてみた。
すると、「昔のウイスキーは今よりもずっと手間をかけて作っていた」とのシンプルな答え。
例えば、大麦の生産量を増やすために品種を改良したら味が落ちたとか、自家製麦をやめて外から買うようになったとか、昔と今とではビンの中身がだいぶ変わってしまったらしい。
ちなみに、今でも手間をかけて自家製麦をやっている蒸留所もちゃんとあって、その代表が「ラフロイグ」、「スプリングバンク」、「ハイランドパーク」あたり。
どれも大好物なので、ちょっと嬉しかった。
◼️アルコール度数が40%くらいのスパルタンな醸造酒を造れないものか。
酒精強化ワインのことを話している時に、E君が「もともとアルコール度数が高い日本酒を酒精強化して、蒸留酒に匹敵するアルコール度数の醸造酒を作れないものか。」と、非常に面白いアイディアを話してくれた。
いちおう「越後さむらい」という前例があるとは言え、もっとほかの蔵も追随して、一つのジャンルが形成されたら面白いんちゃうかな。
「エキス分があってアルコール度数が高い」というのは、世界でオンリーワンの存在になれる可能性を秘めていると思う。
◼️やっぱり寺田本家は面白い。
最後は、銀座の「マデイラエントラーダ」での我々三名+マスターでの会話。
酒のジャンルを超えて話題が展開し、マスターが突然「日本酒は寺田本家しか飲まないんですよー。」と。
マスターはもともとスティルワインのソムリエをやっていて、その後酒精強化ワイン(マデイラワイン)の世界に入ったとのこと。そんな世界を知る御仁が「寺田本家しな飲まない」ですよ。
もともと寺田本家は大好きだが、自分が思っているよりも全然スケールが大きくて、実は「世界で戦える日本酒」なのかもしれない。
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そんなこんなで気分良く帰宅して、締めに「スプリングバンク10年」を飲んで寝ましたとさ。
むっちゃ楽しかった今宵を締めるのに、コイツほど相応しい酒が他にあろうか(いや、無い)。 pic.twitter.com/EtyKClpf5D
— わっしーと呼ばれています。 (@wassy1974) 2019年2月27日
<了>
追記
飲み歩きの様子はこちらをご覧くださいませ。
父子で相模湖と富士吉田に遠足してきた。
トップ画像は、富士急行の貨車のロゴマーク。
長男が富士急行の「フジサン特急」に乗りたいと言うので、それに引っ掛けて相模湖と富士吉田に行ってきた。
以下、写真を大量に掲載するのでギガ死にご注意を。
■相模湖畔で遊ぶ
早起きして7時過ぎに出発し、9時頃に相模湖駅に降り立つ。
駅舎は今風の駅舎に建て替えられたものの、周囲は昭和の風情が残っている。
徒歩10分程で、目的地の県立相模湖畔公園に到着。
おそらく昭和30~40年代から全く変わっていないであろうレジャー空間。
懐かしいゲームをしたり、ボートに乗ったりと、父子ふれあいのひと時。
11時に早目の昼食にしようと、ゲーセンの目の前の「河内屋」に入りかけたが、ちょと早すぎたようで断念。
うーん、ここで食べたかったぜ。。。
後ろ髪を引かれつつ、そのすぐ近くにある旅館の食堂に入った。
すこぶる落ち着く空間。
メニューに「かて飯」という郷土料理があったので頼んでみた。
お店の方曰く、ダム湖に水没した集落の祝祭料理だったとか。中身は山菜メインの野菜ちらし寿司だった。
正直言ってそんなに美味いもんでは無いが、歴史や伝統が希薄に感じられる(それは自分の無知によるところも大きいが…)相模湖という場所で、思いがけず「ダム湖に水没した集落の祝祭料理」というディープなものに出会ったことが楽しかった。
さて、移動しますかね。
マルイ。。。ファミリー館。。。?
相模湖界隈に来たのは30年ぶりくらいだが、おそらくその頃とほとんど風景は変わっていないんだろうなー。
こういう「忘れられた感」はグッと来るものがある。
目的地とするほどではないが、機会があったらまた立ち寄って「河内屋」で食事を取りたい。
■フジサン特急に乗る
大月駅に到着して、長男のメイン目的である「フジサン特急」に乗車。
先頭車両(指定席)は子供向けグッズが色々と置いてあって、親子とも退屈しない仕様。
外観の写真を取り忘れていたので、リンクを貼っておく。
それはそうと、せっかく展望列車なのだから、フロントガラスをもうちょっと綺麗にしてくれないもんかと。。。
■富士吉田(主に下吉田)を歩く
富士急行の富士山駅で下車して、適当に下吉田に向かって歩く。
ここら辺から本格的に市街地に突入し、エエ感じになって参りました。
また腹が減ってきたので、商店街に佇む「べんけい」に入店。
表向きは和菓子屋っぽいが、実態はうどん屋と兼業という素晴らしい業態。まさに今日の親子遠足にドンピシャ。
むっちゃ良かったのでリピートしたい。
ここから暫く、大人の欲望渦巻くいかがわしい界隈。
廃業と思われる寿司屋にあるカロリー表。
そして月江寺商店街。
全体的に寂しいが、ところどころに若い人がやっていると思しき店がある。
さらに北に向かって歩く。
下吉田駅に到着して、鉄分を補給(別に補給しなくても良いが、息子は喜んでいた)。
最後にもうひと歩きして葭之池温泉に到着。
ここは浴室は快適で清潔、お湯は適温で穏やか、大広間は炬燵に団扇常備と、とにかく寛げて、おまけに吉田うどんとビールまで楽しめる。
「ザ・パーフェクト日帰り湯」と言って良いのでは。
以上で楽しい父子遠足をフィニッシュし、電車を乗り継いで家路に就いた。
それにしても下吉田は最高やったなー。
以前から「いいぞ」とは聞いていたが、想像を超えて好みだった。
自分の好みの傾向として「過去に複数の産業が盛り上がった」とか「盛り上がりのピークが複数回あった」とか、そういう「ハイブリッド感」がある地域を気に入ることが多い。
下吉田はまさにその好例で、「江戸~明治時代の冨士講(富士登山)」と「明治~昭和初期の繊維産業」という2つの大きな盛り上がりがあって、これらが混然一体となって現在の街並みに大きな影響を及ぼしているようだ。
そして、ご当地グルメの「吉田うどん」もこれらの歴史と絡んでいるところが興味深い。
(参考)名物 吉田のうどんの特徴・味・麺・歴史・おすすめ店舗をご紹介 | 富士吉田河口湖の観光&ローカル情報サイトいくべぇ
とにかく下吉田をいたく気に入ったので、これからもちょいちょい来ようと思う。
■個人的愛好度
★★★★★:殿堂入り
下吉田の街並み
葭之池温泉
★★★:必ず再訪したい
べんけい
★★:ついでがあれば再訪したい
相模湖畔
★:一度は経験出来て良かった
フジサン特急
上記を踏まえ、WACHELIN(わしゅらん)を更新した。
wassy1974.hatenadiary.jp
<了>
新橋で酒のマンツーマンレッスン。
先週の金曜日のこと。
会社のイベントで残業した後、20時半くらいに玉箒へ向かった。
週末だから満席かもなーと思いつつ扉を開けるてみると、幸運にも空席があった。
おじ様3人グループと女性ソロ客の間に滑り込む。よっしゃ。よっしゃ。
この日の目当ては、玉箒のマスターがTwitterで告知していた滋賀県の地酒「不老泉」の生熟コレクション。
写真左から、
山廃純吟生山田錦55%中汲み 21by
山廃純吟生山田錦55%中汲み 23by
山廃純吟生赤磐雄町55% 23by
山廃純米生たかね錦60% 20by
というラインナップ。
これらは、滋賀県在住の日本酒コレクターの方の遺品であり、そのうえ不老泉の先代杜氏である山根杜氏時代の逸品とのこと。
もう誰か数寄者が駆け付けて飲んでいるだろうと思っていたが、何と4本とも口開け。
若い酒の口開けは好きではないが、冷蔵熟成7年以上とあらば望むところだ。
この4本をじっくり利いている間に、他のお客さんが店を後にして、マスターと2人になった。
2人であーだこーだ言いながら楽しくテイスティング。
自分の「不老泉」に対するイメージは、ワイルドとか、振れ幅が大きいとか、いかにも発酵食品っぽいとか、だいたいそんな感じで、そういう得体が知れない部分に大きな魅力を感じている。
この冷蔵生熟コレクションは非常に状態が良くて、7年以上という歳月で余分な刺激が除去されつつも、不老泉の一筋縄でいかない魅力を保っていると感じた。
4本のなかで個人的には「たかね錦」が面白かった。不老泉にしては静かな感じだったが、開栓後に大化けするかも。知らんけど。
そして、予想通り「雄町」が最も苦手だった。。。
何はともあれ、この不老泉生熟コレクションはマジ楽しい。
「美味しい」という言葉で片付けられない不老泉のアレがナニな魅力が詰まっている。
不老泉ファン、滋賀酒ファン、生熟ファンのうち少なくとも一つを自認される方々は、玉箒に急ぐことを強くオススメする。
ーーーーー
不老泉を飲み終えた後も、お客さんが来ないのを良いことに、終電の時間までマンツーマンの酒レッスン。
前出のコレクションから、天狗舞純米大吟醸の生熟。
うおお!旨い!!旨過ぎる!!!
これは天狗舞に惚れ直してしまう旨さ。。。
そして、OK枠の呉春普通酒。
これは確かコレクションではない。
濃くて、濃くて、ぶっ濃くて、旨い!!!
奈良漬けとの相性がパーフェクトだった。
ここからは毎回恒例、マスターの実験台として弄ばれるコーナー。
キノコの香りが共通する熟成日本酒、シェリー酒、マデイラワインの飲み比べ、さらにこれらのブレンド。
辛口の日本酒とチョコレートリキュールを交互に飲むことによって、香りの伝わり方、楽しみ方を実感。
こんな調子で、新橋の夜は更けていった。
当初は玉箒の後にもう一軒行こうと思っていたが、珍しくマスターとマンツーマンになったので、腰を据えて色々と楽しんだ。
そういえば、玉箒にはたいてい蒸留酒を目当てに訪れるので、こんなに日本酒を飲んだのは初めてかも知れんなー。
むっちゃ贅沢な金曜日の夜だった。
<了>