まさに「捨てる神あれば、拾う神あり」という夜だった。
残業した夜、新橋でメシ食いながら飲むかーと思って、友人が切り盛りする居酒屋「ひらの」に向かった。
が、まさかの「満席お断り」を食らってしまった。。。
さて、切り替えようということで、脳内の「好きな店」とか「行ってみたい店」のデータベースを検索する。
そう言えば、すぐ近くに、以前から気になっていた変な名前の店があったな。。。
ということで向かってみる。
雑居ビルの狭い階段を下り、一番奥まで進むと、その店はある。
※ほぼ常連さんしか来ないお店なので、ご迷惑がかからないように匿名でお送りします。
むうう、中の様子が全く見えない。。。事前の想像以上に入りにくいオーラが漂う。。。
やや重たいドアを「ギギー…」と開けると、いきなり女将さんと目が合う。
数秒間の気まずい沈黙。
自分「一人ですけど、良いですか?」
女将さん「端っこの狭いところで良ければ…」
店内はとても狭く、カウンター7席と、2人がけのテーブルが1つ。
現在は居酒屋だが、おそらくスナックの居抜きだと思われる。
女将さん「料理はこちらからお出しするスタイルですが、それで良いですか?」
自分「問題ないです。」
女将さん「嫌いなものはありますか?」
自分「ホヤ以外なら何でも食べられますよー。」
ビールを頼む。
手間がかからない料理をすぐ出してくれる。
ああ、落ち着くな。
次は、この店唯一の日本酒「立山本醸造」を頼む。
野菜スティックと煮物がテンポよく出てくる。
うまい。うまい
そして、雑炊とリゾットの中間みたいなメニュー。
すげーうまい。腹が満たされる。
食後に八丈島の麦焼酎「一本釣り」というやつをチビチビ。
おかみさんとチョイチョイ話してだいぶ打ち解けてきた。
すると、隣にいた新橋おじさま軍団から、
「お兄さん。さっきから熱心に写真を撮っているけど、もしかしてミシュランの調査員か!?」
という突っ込みが。
そこから、あーだこーだと、しょーもない話で盛り上がる。
なんだかんだで2時間近くお店に滞在して、とても気分良く過ごすことができた、
女将さんはとても感じが良い方で、口も手も足も常に動いていて小気味良い。
コンロが一つしかないので、全員に同じ料理を出すスタイルにせざるを得ないとのことだが、どれも品の良い家庭料理という感じで自分の好みだった。
お酒の種類は多くないが、唯一の日本酒として「立山本醸造」を置いているあたり、密かにこだわりがあるのではと推察する。
お客さんは年配の常連さんばかりなので、自分のような若輩者(40台前半)が一人で入ってくることはとても珍しいとのこと。
にも関わらず、暖かく迎えてもらって感謝することしきりでございます。。。
いつもの店に入れなかったのはとても残念だったが、そのお蔭で新しい出会いがあった。
まさに「捨てる神あれば、拾う神あり」という夜だった。
<了>